NBA

「本当に長くて、いろんなことがあった」異例の“長期シーズン”を戦い抜いた八村塁が今季を総括

秋山裕之

2020.08.14

今季の全日程を終えた八村。NBA初年度は出場した全48試合に先発し、平均13.5点、6.1リバウンドの成績を残した。(C)Getty Images

 8月13日(日本時間14日)、ワシントン・ウィザーズはシーディングゲーム最終戦を勝利で飾り、今シーズンの全日程を締めくくった。

 初のNBAシーズンを終えた八村は「僕は今日、試合に出れなかったんですけど、チームとして最後にどうしても勝ちたかったので、最後の最後で勝てて良かったです」と語り、今シーズンを総括した。

「このルーキーシーズン、本当に長くて、いろんなことがあったんですけど、振り返ると僕としてもいろいろ学べた時期でしたし、これからもこの1年間にやったことが役に立つと思います。まずは無事に終われたことに感謝して、次のシーズンに向けて頑張りたいです」

 八村の言葉通り、初めてのNBAシーズンは異例の"長期戦"となった。昨年6月、日本人として史上初のNBAドラフト1巡目指名という快挙に始まり、10月の開幕戦で先発パワーフォワードのポジションを勝ち取ってデビュー。新型コロナウイルスの感染拡大により3月から4か月以上の中断を挟み、8試合を戦ってようやくシーズンの日程を終えた。
 
「(再開後は)チームをもっと引っ張る立場で入って、相手のマークもきつくなったんですけど、そのなかで自分のプレーがどれだけできるかということが大事だと思ってこのシーディングゲームに入りました。いろいろと学べることがあったと思うので、そこは忘れないで、これからのNBAキャリア、バスケットボールキャリアに向けて、いい経験になったと思います」

 ブラッドリー・ビールやダービス・ベルターンスら主軸が不在となったシーディングゲームについてそう振り返った八村。3試合連続で1桁得点に終わるなど苦戦も強いられたが、出場7試合で平均フィールドゴール試投数(11.1→12.7本)、フリースロー試投数(2.7→4.1本)ともにシーズン中断前から伸ばしており、3ポイントについても最後の試合では自己最多の9本を放つ積極性を見せた。何より「まずこの1年間は、NBAのバスケに慣れることが一番大事だったんじゃないかなと思います」と語ったように、NBAのタフなシーズンを戦い抜いたことは最大の収穫と言っていいだろう。
 
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