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NBA

レイカーズとクリッパーズがシーズン中止を支持。NBA選手たちがキャリアを犠牲にして社会正義を訴える

ダンクシュート編集部

2020.08.27

「BLACK LIVES MATTER」を掲げて7月にシーズンを再開させたNBA。しかし再び大きな岐路に直面している。(C)Getty Images

「BLACK LIVES MATTER」を掲げて7月にシーズンを再開させたNBA。しかし再び大きな岐路に直面している。(C)Getty Images

 ミルウォーキー・バックスのボイコットに始まったNBAの試合延期は、シーズンの中止も含めた重大な事態に発展しそうだ。

 アメリカでは23日、制止を振り切って車に乗り込もうとしたジェイコブ・ブレイクさんを警官が背後から銃撃。ブレイクさんは一命を取り留めたものの、重傷を負った。その後、現地では再び人種差別に対する抗議活動が活発化し、NBAでも選手やコーチたちが声を挙げていた。

 特に本拠地ウィスコンシン州のケノーシャで起きた事件に、人ごとではない思いを募らせていたのがバックスの選手たちだ。24日にはジョージ・ヒルが「ここでこんなこと(バスケットボール)をしている場合ではない。(警官による)不正と殺人にはうんざりだ」と発言。26日のオーランド・マジックとの試合をボイコットした後には、警察や州議会への正義を求める声明を発表した。
 
 相手チームやリーグに事前報告をせずにボイコットしたことに対し、一部不満を漏らした選手はいたようだが、他チームの多くの選手はバックスの決断を支持。その後、各チームの選手たちはミーティングの場を持ち、今後に関する話し合いを実施した。そこで行なわれたアンケートでは、ロサンゼルスの2チーム、レイカーズとクリッパーズの選手たちがシーズン中止に票を投じたという。

 結局、話し合いは明日以降に持ち越しとなり、予定されている試合も再び延期になる見込み。この構造的な人種問題に対して、何らかの明確な改善への行動がなされない限り、シーズンを再開すべきではないと考えている選手は一定数いるようで、まずは各球団のオーナーに行動を求めているようだ。

 NBAは現在、頂点を決めるプレーオフの真っ只中。それぞれの選手が自身のキャリアをかけて望んでいるシーズンの大一番だが、その大事な時期を犠牲にしてでも、人種差別問題の解決を求め、社会正義を訴えている。

 アメリカではNBAのほかにも、女子バスケットボールのWNBAや野球のMLBが同日の試合をキャンセル。女子テニスの大坂なおみも出場中の大会を棄権し、黒人差別への抗議の意を示している。

構成●ダンクシュート編集部

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