NBA

「最初は地獄のようだった」ケビン・ラブがキャブズでのビッグ3結成当初の苦悩を告白

ダンクシュート編集部

2020.09.04

2014年にキャブズに移籍し、エースから引き立て役にまわることになったラブ(左)。ビッグ3結成当初の苦悩を明かした。(C)Getty Images

 どんなスーパースターも年齢とともに少しずつ衰え、いつかは引退を迎える。絶対的エースがロールプレーヤー、シックスマンへシフトした例は数多くあるが、キャリアの全盛期に"引き立て役"を受け入れることになった選手はそれほど多くないだろう。そんな選手の1人であるクリーブランド・キャバリアーズのケビン・ラブが、"ビッグ3"時代の苦悩を明かしている。

 デリック・ローズ(現デトロイト・ピストンズ)やラッセル・ウエストブルック(現ヒューストン・ロケッツ)と同じ2008年のドラフトで、1巡目5位指名を受けてミネソタ・ティンバーウルブズ入りしたラブは、キャリア最初の2年は主にアル・ジェファーソンの控えとしてプレー。ジェファーソンが退団した3年目の2010-11シーズンからエースに昇格し、いきなりリバウンド王とMIP(最優秀躍進選手賞)を獲得するなど、平均20点、10リバウンド以上を記録する万能ビッグマンとして台頭した。

 その後もエースとして活躍を続け、2014年8月、3チームが絡む大型トレードでキャブズへ移籍。そこでカイリー・アービング(現ブルックリン・ネッツ)、マイアミ・ヒートから古巣に復帰したレブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)と"ビッグ3"を形成することになるが、待ち受けていた役割はラブにとってある意味で残酷だった。
 
 その時点でオールスター出場3回、オールNBA2ndチームに2回選出されていたエースは、レブロン、アービングに次ぐ第3オプションへ。2016年には自身初のNBAチャンピオンに輝いたが、当初は複雑な胸中だったことをJJ・レディック(ニューオリンズ・ペリカンズ)のポッドキャストに出演した際に明かしている。

「俺はアジャストする必要があった。チームの状況を考えた時に、俺が一番犠牲にならないといけないと感じた。ボールを支配する選手が2人いたからね。カイリーはボールを操る魔術師で、レブロンは世代に1人の逸材にしておそらく史上最高のプレーヤーだ。俺はオールNBA、オールスターから第3のオプションになったんだ。アジャストしている間は地獄のようだった。1試合で20本シュートを打っていたのが、3ポイントシューターに格下げになったんだからね」

 もっともラブはビッグ3を結成したことに後悔はなく、「俺たちが手にしたチャンピオンシップを誰も奪うことはできない」と優勝経験が誇りだと語った。その一方で、辛かった時期についても言及している。

「公然と非難されるようになって、心の準備ができてなかった。俺は最も非難された。頭の中がめちゃくちゃになってメンタルがやられたよ」

 ビッグ3解体後の2018年には、パニック障害と戦っていることを告白しているラブ。そのナイーブさは周知の事実だけに、ビッグ3時代にレブロンやアービングの陰で多くの批判を浴びたことは今でも苦い思い出のひとつとして記憶に刻まれているようだ。

構成●ダンクシュート編集部

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