NBA

なぜウォリアーズは移籍先として人気が高いのか?指揮官が現チームの魅力を語る

秋山裕之

2020.10.10

カーHCはウォリアーズが魅力的なチームである理由としてエースのカリー(左)らスタープレーヤーの存在を挙げた。(C)Getty Images

 先日、ゴールデンステイト・ウォリアーズはミニキャンプを開催し、昨年6月に左ヒザ前十字靭帯を断裂していたクレイ・トンプソンがチーム練習に復帰。ステフィン・カリーとドレイモンド・グリーンは家族の事情で不参加だったが、若手を中心にウォリアーズの選手たちが揃って汗を流した。

 10月7日(日本時間8日、日付は以下同)にウォリアーズのスティーブ・カー・ヘッドコーチ(HC)は『The Athletic』のティム・カワカミ記者のポッドキャスト番組「The TK Show」へ出演し、チームの現状についてこう評していた。

「このチームはもっとたくましくなる必要があるのは確かだ。このチームがものすごくスキルが備わっていることは間違いない。でもたくましいチームとは言えない。特にウイングのポジションでは多くの跳躍力とシュート力を失っているからね。センターのポジションもそう。現状は大きくもなければ、アスレティックなチームでもないんだ」。

 今季リーグワーストの15勝50敗(勝率23.1%)に終わったウォリアーズは、シーズン途中に昨夏に契約したばかりのウィリー・コーリー・スタイン、アレック・バークス、グレン・ロビンソン三世を放出。
 
 さらにミネソタ・ティンバーウルブズとのトレードでディアンジェロ・ラッセル、オマリ・スペルマン、ジェイコブ・エバンスを失っており(代わりにアンドリュー・ウィギンズと複数のドラフト指名権を獲得)、選手層は薄くなってしまった。

 とはいえ、このチームにはエリック・パスカル、デイミオン・リー、マーキーズ・クリス、マイケル・ムルダー、カイ・ボウマンといった成長が期待できる若手がおり、来月18日に開催予定のドラフトでは1巡目2位指名権を保持している。そのため、カリー、トンプソン、グリーンが健康体を取り戻せば再び覇権争いに参戦できるかもしれない。

 だが来季の総年俸はすでに1億4560万ドル(約152億8800万円)を超えているため、オフにフリーエージェント(FA)でオールスター級の選手を獲得することは厳しいのが現状だ。

 それでも、チームは過去にケビン・デュラントやラッセルといったスターに加え、アンドレ・イグダーラ、デイビッド・ウエストといったロールプレーヤーの獲得にも成功。カーHCはウォリアーズには有能なFA選手たちがプレーしたくなるだけの魅力があると語る。

「私はそう思うね。それはこのチームにいるステフ、クレイ、ドレイモンドというトッププレーヤーたちの存在だ。彼らがこのチームを魅力的にしてくれているのさ。私はこのチームが強い絆で結ばれた組織だと見ており、新しくて美しいアリーナ(チェイス・センター)もあるし、(カリフォルニア州は)生活するうえで最高の場所でもある。組織として確固たるものがあるんだ」