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調子の上がらないウエストブルックが自身を鼓舞「もっとしっかりプレーしないと」〈DUNKSHOOT〉

秋山裕之

2021.01.26

ウエストブルックは今季ウィザーズに加入。1年目から平均トリプルダブル近い数字を残しているが、得点は3年目以降ではワーストでゴールにアタックする回数も減少している。(C)Getty Images

 1月24日(日本時間25日、日付は以下同)に行なわれたサンアントニオ・スパーズ戦で、ワシントン・ウィザーズは約2週間ぶりに試合を再開したが、101-121で敗れた。

 前半こそ47-48と1点ビハインドで終えたものの、後半に入ってスパーズに54-73と走られてしまい、終わってみれば20点差で完敗を喫した。

「ずっとプレーしていないと、リズムを取り戻すのに少し時間がかかる。チームも、選手たちもスイッチをそう簡単にオン・オフできないんだ。リズムというのは大事。ラッセル(ウエストブルック)だけでなく、他の選手たちも後半になって空回りしていた」

 スコット・ブルックス・ヘッドコーチ(HC)が試合をそう締めくくったように、ウィザーズの選手たちは試合勘の鈍りがあった。さらにチームは八村塁、ダービス・ベルターンス、イシュ・スミス、デニ・アブディヤ、モリッツ・ヴァグナー、トロイ・ブラウンJr.が新型コロナウイルスの安全衛生プロトコルによって出場できず、戦力ダウンを余儀なくされていたため、指揮官は「だが今の状況を考えると、皆よく戦った」と口にしていた。

 これでウィザーズは開幕12試合を終えて3勝9敗。イースタン・カンファレンス14位と調子を上げられずにいるが、プレーオフ最終スポットの8位のニューヨーク・ニックス(8勝10敗)とは2.0ゲーム差のため、逆転するチャンスはまだ十分ある。
 
 先発センターのトーマス・ブライアントをケガで失い、アレックス・レンとジョーダン・ベルをロースターに加えたウィザーズにとって、八村やベルターンスといった主力の復帰はもちろん重要だが、ウエストブルックの復調も今後巻き返していくうえで大きな鍵となる。

 左大腿四頭筋を痛めて欠場していた万能型ポイントガードは、スパーズ戦で出場時間を抑えつつも戦列復帰。25分17秒プレーしてフィールドゴール27.3%(3/11)、3ポイント33.3%(1/3)、フリースロー50.0%(2/4)の計9得点、8リバウンド、6アシストをマークした。

 ただ試合後には、「今の俺は出場時間の制限があるから、リズムに乗るのが難しい。だが、もっとしっかりプレーしないといけない。言い訳はしたくない」と悔しさをにじませていた。

 もっとも、オクラホマシティ・サンダー在籍時にもコーチしていたブルックスHCは、ウエストブルックについて次のように話す。

「彼はリズムを掴もうとしている。それにはある程度の時間がかかるだろう。私は彼がコートに出て競い合っていたことを気に入っている。彼はプレーしたがっていたし、このチームが勝利できるように助けたがっていた。それがウエストブルックという男なんだ。勝利するためにプレーしている」