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NBA

カリー2度目の受賞か、ビールが初の戴冠か。その差わずか0.5点の得点王争いの行方は?<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2021.05.12

ここまでカリー(左)は平均31.9点、ビール(右)は31.4点をマーク。前者はキャリア2度目、後者は初の得点王タイトルを狙う。(C)Getty Images

ここまでカリー(左)は平均31.9点、ビール(右)は31.4点をマーク。前者はキャリア2度目、後者は初の得点王タイトルを狙う。(C)Getty Images

「彼はものすごいプレッシャーをかけてくる。もし(フィールドゴールが)0/5で始まったとしてもね。できるならいつもそうであってほしいものさ。でも今夜はそうはならなかった。我々は十分に対応できなかった」

 オクラホマシティ・サンダーのマーク・ダグノー・ヘッドコーチ(HC)は、5月8日(日本時間9日、日付は以下同)に行なわれたゴールデンステイト・ウォリアーズ戦に97-136の大敗を喫した後にそう語っていた。

 ダグノーHCが「彼」と評したのは、ステフィン・カリーのこと。リーグ指折りのスーパースターは、この日29分20秒の出場で3ポイント11本を含む49得点を叩き出し、若手揃いのサンダーを一蹴。

「最初の2本が入ったら、自分の自信が別次元のレベルにあると感じるんだ。で、畳み掛けるようにショットを決めていこうとしたんだ」と明かしたカリーは、第1クォーターだけで24得点をマークすると、第3クォーターにも22得点の集中砲火でサンダーを寄せ付けず、第4クォーターはベンチから試合を見守る余裕を見せた。

 これにはスティーブ・カーHCも「信じられないね。彼は驚異的な選手でしかない。3ポイントの時代におけるキングだ。ステフはベストなひとりさ」と舌を巻いており、33歳のスーパースターに最大級の賛辞を送っていた。

 もっとも、この試合のカリーに火をつけたのはサンダー選手でも、ウォリアーズのチームメイトや指揮官でもなく、ワシントン・ウィザーズのブラッドリー・ビールだった。
 
 同日に行なわれたインディアナ・ペイサーズ戦。ビールは第4クォーター終盤にハムストリングを痛めて途中退場したものの、50得点を叩き出した。今季の得点王争いを繰り広げるライバルの爆発に、カリーはこのように本音を漏らしていた。

「彼が活躍したことは知っていた。ずっとハイレベルなプレーをしているからね。でもどんな時であろうと、誰かが50得点したら『やってやろう』と思うものさ」

 ビールはハムストリングを痛めたことで欠場を余儀なくされており、今季カリーが自身2度目の得点王に輝く可能性は十分ある。だがNBAで平均30点以上をキープするのは並大抵のことではない。

 それでもプレーイン・トーナメント参戦を目指すウォリアーズの勝利にはカリーの大量得点が不可欠。10日のユタ・ジャズ戦では3ポイントが23.1%(3/13)と不発も、フリースローで繋ぐなどチームを牽引。残り14.5秒には決勝弾となる3ポイントをお見舞いし、チームトップの36得点に6アシスト、2スティールを残して119-116の勝利へと導いた。

 得点王争いは11日終了時点で、カリーが平均31.9点でトップ、2位のビールはわずか0.5点差の31.4点と、ハイレベルな争いが続いている。両選手が所属するチームはいずれもプレーイン・トーナメント出場争いの渦中にあるため、今後もプレーオフモードで大量得点を奪いにいくだけに、レギュラーシーズン終了まで注目していきたい。

文●秋山裕之(フリーライター)

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