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「タフなゲームだ」名手ピッペンが現役時代と現代のNBAを比較「今はショットを決め切る能力が必要」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.07.12

ピッペンが自身の現役時代と現代の違いについて持論を語った。(C)Getty Images

 現地時間7月10日(日本時間11日)、ラスベガスで開催されている「NBA 2K23 サマーリーグ」は大会4日目を迎え、シャーロット・ホーネッツとロサンゼルス・レイカーズの試合はサドンデスとなる2度目の延長にもつれ込み、ホーネッツが89-86で制した。

 今年のドラフトに漏れてレイカーズと2WAY契約を結んだスコッティ・ピッペンJr.はこの試合で先発出場して10得点、7アシスト、3スティールを記録。

 21歳のガードはカリフォルニア・クラシックを含めて、サマーリーグ計5戦で平均12.6点、3.8リバウンド、4.8アシスト、2.2スティールを残しているのだが、フィールドゴール34.5%、3ポイント15.8%とショットの精度に苦しんでいる。

 そんななか、この試合でバスケットボール殿堂入りしている父スコッティ・ピッペンが会場に登場。実況席で「現代の選手たちはあなたが現役時代の頃と比較して優れていると思いますか?」と聞かれたピッペンは、こう述べていた。

「イエスと言っておこう。彼ら(現代の選手たち)を見ていて思うのは、スタミナがあり、試合のペースも変わっている。今はタフなゲームだ。このペースに置いていかれないようにプレーしている。それにショットを決めていかないといけない」
 
 ピッペンはシカゴ・ブルズでNBAキャリアをスタートし、1987-88から2003-04までの17シーズンをプレー。ブルズのほか、ヒューストン・ロケッツ、ポートランド・トレイルブレイザーズにも所属した。

 名将フィル・ジャクソンHC(ヘッドコーチ)の下、ブルズはトライアングル・オフェンスを展開して90年代に2度の3連覇を達成。マイケル・ジョーダンがリーダー兼トップスコアラーを務め、ピッペンはチームを統率するリーダー兼マルチなディフェンダーとして絶大な貢献を果たし、リーグ最高級の選手として君臨した。

 そんなピッペンから見ても、当時と現代のNBAでは明らかな違いが見て取れるようだ。

「(現代では)ショットを決められなければ、コーチたちとベンチで座っていることになる。だから私は現代の方が(現役当時よりも)難しくなっていると思う。ショットを決め切る能力が必要とされているからだ。ディフェンスをこじ開けて、(味方へ)チャンスをクリエイトする選手たちもいる。でも今ではショットをしっかり決め切る選手たちの方が、より価値があるんだ」

 ピッペンがブルズで6度の優勝を飾った当時、チームのペース(48分間におけるポゼッション数)は最大で95.6で、2度目の3連覇時の97-98シーズンに至ってはわずか89.0。一方、現代のリーグ平均ペースは増えており、昨季は98.2で一昨季は99.2、それまでの2シーズンはいずれも100.0を超えるハイペースだった。
 
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