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ドンチッチ擁するスロベニアの敗戦、退場者続出のジョージアvsトルコ戦――波乱ずくめのユーロバスケット3戦目レポート<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2022.09.06

ジョージア対トルコ戦はオスマン(右)をはじめ、3人が退場処分を受けるなど大荒れの試合となった。(C)Getty Images

 チェコ・ジョージア・ドイツ・イタリアの4か国で開催中のユーロバスケット2022。9月1日にスタートした同大会はグループBのドイツが開幕から3連勝で、いち早く決勝トーナメント進出を決めた。彼らは1993年のドイツ大会でも優勝しているだけに、地元での強さはお墨付きだ。

 そしてジョージアの首都トビリシが舞台のグループA、3回戦が行われた4日は、波乱に満ちた1日となった。

 まず、第2試合では、それまで全勝でグループ首位に立っていたスペインが、伏兵ベルギーに10点差で敗れる予想外の展開に。

 ベルギーはFIBAランキングで37位と、グループAでは52位のブルガリアに次いで順位が低いチームだが、ユーロバスケには5大会連続出場と、着々と力をつけてきている新勢力のひとつ。

 チームの主柱はこの5大会すべてに出場している36歳のジョナサン・タブーと35歳のマキシム・ドゥ・ゼーウのベテラン2人で、そこへ彼らを目標に育ってきた若手が融合。

 堅守から流れを作り出すのがベルギーのスタイルで、この日もスペインにリードを奪われてもディフェンスの集中を切らさず、リバウンドで優位に立ち、格上相手にアップセットを起こした。

 3試合目のジョージア対トルコ戦は、2度のオーバータイムの末、88-83でホスト国のジョージアが辛勝したが、これが大混乱の一戦となった。
 
 第4クォーター、トルコのフルカン・コルクマズ(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)のダンクをジョージアのドゥーダ・サナジェが後方から激しくブロックすると、このプレーをめぐってもみ合いになり、2人揃って退場に。

 さらにダブルオーバータイムの終盤、81-84 と、トルコが3点を追う場面でシェディ・オスマン(クリーブランド・キャバリアーズ)がアンスポーツマンライクファウルをコールされると、トルコのエルギン・アタマンHCが激昂。レフェリーに詰め寄った挙句、彼も退場処分を食らった。

 騒ぎはこれだけでは収まらず、コルクマズがロッカールームへ向かう途中の通路で、ジョージアの登録メンバー外の3選手とガードマンから殴りかかられる暴力沙汰に発展。コルクマズも応戦し、本人曰く「ストリートファイトのような殴り合い」になったそうだ。

 トルコ協会は、この一件について、監視カメラの映像が1分たりとも欠けることなく提出されない限りは、大会から退くと発表した。現在調査中で、FIBAからは正式なコメントは出ていない。

 加えて、コルクマズとサナジェの騒動の最中、ゲームクロックが止まっておらず、トルコ側の攻撃タイム22秒が失われる異例のアクシデントも発生。
 
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ドンチッチ擁するスロベニアは3位に後退