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「スティーブにとって不運」ネッツを解任されたナッシュに同情の声「近年、彼ほど大変な思いをしてきた者はいない」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.11.02

ナッシュは就任から2年連続でネッツをプレーオフに導いたが、今季は下位に低迷。後任にはセルティックスのユドカ(左)の名前が挙がっている。(C)Getty Images

 現地時間11月1日、2022-23レギュラーシーズン開幕から約2週間で、ブルックリン・ネッツがスティーブ・ナッシュHC(ヘッドコーチ)の解任を発表した。

 20-21シーズンからネッツの指揮官となったナッシュは、2年連続で勝率5割以上を残し、チームをプレーオフへ導いた。だが今季はデュラント、アービング、ベン・シモンズというオールスタートリオを擁しながら4連敗を喫するなど2勝5敗(勝率28.6%)でイースタン・カンファレンス12位タイへ低迷。

 現役時代、ベンチプレーヤーからリーグ屈指のポイントガードへ成長し、MVPに2度も選ばれたナッシュは、NBA史上でも指折りの司令塔としてのキャリアを築き、18年には殿堂入りも果たしている。

 コーチとしては2シーズン少々で94勝67敗(勝率58.4%)。コーチ経験なしで勝ち越していることは評価できるが、デュラントとアービングという2人のスーパースターが所属するチームを勝たせることができなかったと見ることもできる。
 
 そんななか今回の解任劇に、他チームの指揮官たちからは同情の声が上がっている。シカゴ・ブルズのビリー・ドノバンHCは、次のように話していた。

「スティーブにとっては不運だ。私はスティーブのことが本当に大好きだからね。彼は素晴らしい男であり、ここ(ネッツのホーム)へ行く時や彼らがシカゴでプレーする時は、いつもリスペクトしていた。彼は殿堂入りした選手であり、本当に良い人間なんだ」

「スティーブはゲームのことを知り尽くしている。歴代で最も輝きを放ってきたポイントガードの1人だからね」

 選手時代にはナッシュと対戦経験もあるサンズのモンティ・ウィリアムズHCは、「ヘッドコーチが職を失うのを見るのはいつだって辛いものだ。我々は皆、この仕事がどれだけ難しいことなのかを知っているからね。近年、バスケットボール以外のことで彼ほど大変な思いをしてきた者はいない。だから彼が解任されるのは辛いことだ」と語っていた。

 ネッツは本日のブルズ戦でアシスタントコーチのジャック・ヴォーンが暫定HCを務め、第3クォーターまでリードを奪っていたものの、第4クォーターに逆転を許して99-108で敗退。

 後任には昨季ボストン・セルティックスをNBAファイナルへと導いたイーメイ・ユドカが筆頭候補として挙がっており、早ければ2日にも契約合意になるだろうと『ESPN』が報じている。

文●秋山裕之(フリーライター)
 
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