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「心の中では悩んだし、傷ついた」アイバーソンが“五輪代表”に召集されなかった過去への心境を吐露<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2022.12.03

アテネ五輪で惨敗を喫したアイバーソン。その屈辱を晴らすべくリディームチームへの参加を望んだが、残念ながら叶わなかった。(C)Getty Images

 現在、『Netflix』で配信されているバスケットボールのドキュメンタリー映画『リディームチーム:王座奪還への道』。2002年の世界選手権(現ワールドカップ)でまさかの6位に沈んだことから始まり、2004年のアテネ五輪で銅メダル、さらに06年に日本で開催された世界選手権でも3位に終わったアメリカ男子代表チームが、国の威信と栄光を取り戻すべく、2008年の北京五輪に挑戦していく様子を描いた作品だ。

 結果として、コビー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)やレブロン・ジェームズ(レイカーズ)らを中心としたアメリカは、圧倒的な強さを見せて全勝で金メダルに輝く。見事に頂点へと返り咲いたわけだが、その裏で"リディームチーム"への参加、そして北京五輪出場に並々ならぬ熱意を見せながらも、涙を吞んだ1人のスーパースターがいた。 アレン・アイバーソン(元フィラデルフィア・セブンティシクサーズほか)だ。

 公称183cm(実際はそれ以下とも)のサイズながら得点王に輝くこと4回、2001年にはシーズンMVPも受賞した稀代のスコアラーは、アメリカ代表のエースとして2004年のアテネ五輪に挑んだものの、結果は前述したとおり屈辱の銅メダル。その悔しさを晴らすために2008年大会への出場を望んでいたが、代表チームに召集されることはなかった。
 
 現地時間12月1日、アイバーソンはその当時の胸中を、ゲスト出演した番組『Cold as Balls』で吐露。MCを務めるバスケットボール好きの俳優・コメディアンのケビン・ハートに対し、リディームチームへの思いを語った。

「(2004年のアメリカ代表は)プロフェッショナルが集まり、フロアにいるどんなチームにも勝てるはずだと人々は思っていただろうけど、明らかにそうじゃなかった。俺は(リディームチームに)参加したかったが、招待されず、最終的に彼ら(首脳陣)は優勝するチームを作り上げたんだ。

 俺にはどうしようもないことだった。でも、彼らが選んだ選手たちに敬意を表し、そのことについて大騒ぎはしたくなかった。彼ら(リディームチームのメンバー)は俺の仲間なんだ。わかるだろ?俺は最後まで彼らを応援していたけど、心の中では悩んでいたんだ。傷ついたよ」

 当時の複雑な心境を語ったアイバーソン。ただ、アメリカ代表として栄誉に浴すことは叶わなかったとはいえ、2000年代を代表するスーパースターがリーグで築き上げた輝かしい実績は、今後も決して色褪せることはない。

構成●ダンクシュート編集部

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