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「ベストな月だとは思っていない」大型ルーキー、バンケロにとって月間最優秀新人賞は通過点?「今月はもっと良くなる」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.01.04

バンケロは12月に平均19.1点、6.5リバウンド、4.1アシストの好成績を残し、マジックを8勝7敗に導いた。(C)Getty Images

 現地時間1月3日、NBAは12月の月間最優秀新人選手にイースタン・カンファレンスからパオロ・バンケロ(オーランド・マジック)、ウエスタン・カンファレンスからキーガン・マレー(サクラメント・キングス)を選出したことを発表した。

 バンケロは期間中に平均19.1点、6.5リバウンド、4.1アシスト、マレーは同12.7点、3.5リバウンド、0.9スティールを記録。特に昨年のドラフトでマジックから全体1位指名を受けたバンケロは、11月こそ足首捻挫のため7試合を欠場したが、15試合にフル出場し、出場時間と得点でルーキートップ、アシストで同2位の好成績を残した。

 5日から18日にかけては7戦連続で20得点以上をマーク。これはマジックの新人としては1993年2月にシャキール・オニール残した球団史上最長タイ記録となった。

 20歳のバンケロは、208cm・113kgのフォワードで、今季ここまで平均20.9点、6.7リバウンド、3.9アシストの成績をあげ、新人王の有力候補に挙がっている。

 とはいえ、バンケロにとって今回の受賞はあくまで通過点に過ぎないようだ。3日に『USA TODAY』はバンケロのコメントを紹介している。

「月間最優秀新人賞を勝ち取るのは最高なことだと思う。(けど)僕は(12月が)自分にとってベストな月だとは思っていない。僕としては、今月はもっと良くなる気がしている。新たな月へ突入することによって、新たにフォーカスしていくだけさ。僕らの前にはまた新たに試合が組まれているからね。ウエストへの遠征もあるから、僕はそれを楽しみにしているよ」
 
 マジックにはバンケロのほかにも、フランツ・ヴァグナーやウェンデル・カーターJr.、コール・アンソニー、モリッツ・ヴァグナー、ボル・ボル、マーケル・フルツといった魅力的な若手選手が在籍している。

 さらに足首を痛めて11月下旬から欠場が続くガードのジェイレン・サッグス、2020年8月に左ヒザの前十字靭帯を断裂し、昨季まで2シーズン連続で全休しているジョナサン・アイザックというビッグマンもおり、フルメンバーが揃うのであれば、さらに注目を浴びるだろう。

 ただ、20歳ながらチームのトップスコアラーを務めているバンケロには彼ら以上に期待がかかっている。ジャマール・モーズリーHC(ヘッドコーチ)はバンケロが月間最優秀新人賞に選ばれたことは「非常に大きなこと」と切り出し、こう続けていた。

「この若手は最初にジムへ現われ、最後まで残って練習を続けている。それにフィルムスタディや試合における駆け引きや流れを理解しようとしている。さらにうまくなれるように、取り組んでいるんだ。この賞は、彼が多くの方法でこれまで費やしてきた大きな成果だと思う」

 得点、リバウンド、プレーメーキングと3拍子揃った大物ルーキーは、近年低迷が続いているマジックを復活させることができるか注目したい。

文●秋山裕之(フリーライター)
 
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