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「もっと貪欲でなければ」初優勝に王手もナゲッツに慢心なし。第5戦に向けヨキッチは「マスト・ウィン・ゲームとして臨む」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.06.12

初優勝に王手をかけたナゲッツ。しかし、彼らの中に慢心は一切ない。(C)Getty Images

 デンバー・ナゲッツとマイアミ・ヒートによる2023年のNBAファイナルは、第4戦までを終え3勝1敗でナゲッツがリード。フランチャイズ史上初優勝の悲願達成へ、王手をかけている。

 これまでのファイナルにおいてシリーズ成績を3勝1敗とした36チームのうち、実に35チームがリーグ制覇を達成。そのため優勝はほぼ確実と見られているが、唯一、2016年のゴールデンステイト・ウォリアーズが第5戦から3連敗を喫して優勝を逃したように、ひとつでも例外がある限り、決して油断すべきではないだろう。

 当然、ナゲッツの面々もそう考えているようで、タイトル獲得まであと1勝に迫っていても慢心はない。マイケル・マローンHC(ヘッドコーチ)は「ほとんどのチームは3勝1敗になったことで、一息ついてしまう。リラックスしてしまい『自分たちが勝つんだ、それが当たり前なんだ』と思ってしまうことがある」と口にし、さらにこう話していた。

「我々は(1勝3敗だろうと)どんなことも可能なんだとわかっている。それがこのチームへ向けた私のメッセージであり、私たちは1勝3敗のつもりでいなければいけない。相手は必死なんだ。我々はもっと必死にならないといけない。相手がハングリーなのだから、我々はもっともっと貪欲でなければいけない」
 
 ナゲッツは2020年のプレーオフで、1勝3敗から3連勝してシリーズを制した経験が2度もある。ファーストラウンドでユタ・ジャズに、カンファレンス・セミファイナルではロサンゼルス・クリッパーズ相手に1勝3敗と追い詰められながら、ニコラ・ヨキッチとジャマール・マレーという2枚看板を中心に巻き返して逆転勝利を飾った。

 そのため、ヨキッチはホームの第5戦でシリーズに決着をつける覚悟を見せている。

「僕らはマスト・ウィン・ゲームとして臨む。すごく重要な機会なのは知っているし、それはみんなもわかっていると思う。今日の練習で、このチームのみんなが集中していたから、僕らは準備ができている」

 現地時間6月12日(日本時間13日)に行なわれる第5戦、ナゲッツはホームの大観衆の前で歓喜の瞬間を迎えることができるのか。あるいはヒートが意地を見せてシリーズを第6戦まで引き延ばすことになるのか。両チームの攻防は必見だ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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