シカゴ・ブルズが1996~98年にフランチャイズ史上2度目の3連覇を果たした際、チームの中心はマイケル・ジョーダン、スコッティ・ピッペン、デニス・ロッドマンの"三銃士"が担っていた。
ただ、ロッドマンはフィジカルなディフェンスで相手を恐れさせ、"バッドボーイズ"と呼ばれたデトロイト・ピストンズ時代にラフプレーでピッペンにケガを負わせたことがあった。
最近では、かつての相棒ジョーダンとの確執で話題に事欠かないピッペンだが、現役時代にもアクシデント話は豊富だ。そのひとつが、ブルズとデトロイト・ピストンズが激突した1991年イースタン・カンファレンス決勝第4戦での出来事だ。
1987-88シーズンから3シーズンにわたってプレーオフでピストンズに行く手を阻まれていたブルズが、このシリーズでは相手を圧倒して3連勝。前年王者を追い詰めて迎えた第4戦、後のないピストンズのロッドマンは、レイアップを狙ったピッペンに対して背後から、コート外の観客席まで突き飛ばすハードファウルを敢行。ピッペンはすぐに起き上がることができず、アゴを6針縫うケガを負った。
このプレーをきっかけに因縁を生む結果となったが、『VLAD TV』のインタビューに登場したロッドマンは、このファウルが不適切だったと認めた。
「あれは悪いプレーだった。フラストレーションが溜まっていたんだろう。彼を負傷退場させるつもりはなかった。俺にそうさせたバッドボーイズのイメージは使えないし、それのせいにはできない。一瞬の出来事だったんだ」
そんなロッドマンは、1995年10月にウィル・パデューとのトレードでサンアントニオ・スパーズからブルズへ電撃加入。それまで4年連続でリバウンド王を獲得していた"職人"の移籍は大きな話題を呼んだが、「シカゴの人々は『キリンの代わりにライオンを手に入れた!』と言って笑っていたよ」と本人は周囲の反応を振り返る。
犬猿の仲にあったピッペンに対しても謝罪し、ピッペンは受け入れてくれたという。実際、96~98年の後期3連覇では、ロッドマンがカメラマンを蹴って長期出場停止を食らったこともあったが、三銃士が揃えば相手にとって常に脅威の存在だった。
「俺は『君に対して恨みなんてないよ。俺はここにいられて幸せだし、俺のハードワークを受け入れてほしい』と言ったんだ」
なお、過去にロッドマンは『Bleacher Report』へ引退後のピッペンとの仲について「友達さ。毎日電話したり遊んだりはしないけど、会えば愛を分かち合っている。ありがとう。応援してるよ」と語っていた。
トッププレーヤーは、ひとたびコートに立てば分かり合えるもの――。ピッペンとロッドマンの関係性は、そう言えるものだったのかもしれない。
構成●ダンクシュート編集部
【PHOTO】ロッドマン、ジョーダン、アイバーソン、シャック…NBA史に残る偉大なレジェンドたち!
ただ、ロッドマンはフィジカルなディフェンスで相手を恐れさせ、"バッドボーイズ"と呼ばれたデトロイト・ピストンズ時代にラフプレーでピッペンにケガを負わせたことがあった。
最近では、かつての相棒ジョーダンとの確執で話題に事欠かないピッペンだが、現役時代にもアクシデント話は豊富だ。そのひとつが、ブルズとデトロイト・ピストンズが激突した1991年イースタン・カンファレンス決勝第4戦での出来事だ。
1987-88シーズンから3シーズンにわたってプレーオフでピストンズに行く手を阻まれていたブルズが、このシリーズでは相手を圧倒して3連勝。前年王者を追い詰めて迎えた第4戦、後のないピストンズのロッドマンは、レイアップを狙ったピッペンに対して背後から、コート外の観客席まで突き飛ばすハードファウルを敢行。ピッペンはすぐに起き上がることができず、アゴを6針縫うケガを負った。
このプレーをきっかけに因縁を生む結果となったが、『VLAD TV』のインタビューに登場したロッドマンは、このファウルが不適切だったと認めた。
「あれは悪いプレーだった。フラストレーションが溜まっていたんだろう。彼を負傷退場させるつもりはなかった。俺にそうさせたバッドボーイズのイメージは使えないし、それのせいにはできない。一瞬の出来事だったんだ」
そんなロッドマンは、1995年10月にウィル・パデューとのトレードでサンアントニオ・スパーズからブルズへ電撃加入。それまで4年連続でリバウンド王を獲得していた"職人"の移籍は大きな話題を呼んだが、「シカゴの人々は『キリンの代わりにライオンを手に入れた!』と言って笑っていたよ」と本人は周囲の反応を振り返る。
犬猿の仲にあったピッペンに対しても謝罪し、ピッペンは受け入れてくれたという。実際、96~98年の後期3連覇では、ロッドマンがカメラマンを蹴って長期出場停止を食らったこともあったが、三銃士が揃えば相手にとって常に脅威の存在だった。
「俺は『君に対して恨みなんてないよ。俺はここにいられて幸せだし、俺のハードワークを受け入れてほしい』と言ったんだ」
なお、過去にロッドマンは『Bleacher Report』へ引退後のピッペンとの仲について「友達さ。毎日電話したり遊んだりはしないけど、会えば愛を分かち合っている。ありがとう。応援してるよ」と語っていた。
トッププレーヤーは、ひとたびコートに立てば分かり合えるもの――。ピッペンとロッドマンの関係性は、そう言えるものだったのかもしれない。
構成●ダンクシュート編集部
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