「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」は９月８日、準決勝２試合目が行なわれ、ドイツがアメリカを113－111で撃破。出場７回目で初の決勝進出を果たした。

　立ち上がりの時間帯を制したのはドイツ。司令塔のデニス・シュルーダーを中心にコートを広く使った攻撃で高確率にアウトサイドシュートを沈め、開始５分半で25－15と10点差をつける。しかしアメリカも即座に反撃すると、ジョシュ・ハートやオースティン・リーブスら仕事人たちの活躍で33－31と盛り返して第１クォーターを終えた。

　第２クォーターも両者譲らぬ一進一退の攻防を展開。この10分間は常に５点以内の差で推移し、60－59とわずかにアメリカがリードして折り返した。
  　後半、早々に逆転したドイツはアメリカのターンオーバーが続く間に11－４のランを展開し６点のリード奪う。第３クォーター終盤にはアンドレアス・オブストとモリッツ・ヴァグナーの連続３ポイント、シュルーダーのプルアップジャンパーで94－84と10点差に広げて第４クォーターに突入した。

　アメリカは残り４分半からリーブスの３ポイントを皮切りにアンソニー・エドワーズの個人技などで１点差に迫るも、ドイツは残り１分14秒にオブストが値千金の３ポイントをヒット。さらにエースのシュルーダーもステップバックジャンパーを沈め、勝利を引き寄せる。最後はアメリカの連係ミスなどもあり、チーム力でNBA軍団から金星をあげた。

　ドイツはオブストが最多の24得点、６アシスト、日本との初戦で負傷し、２日前の準々決勝で復帰したフランツ・ヴァグナーが22得点、ダニエル・タイスが21得点、７リバウンド、シュルーダーが17得点、９アシストをあげた。

　一方、２大会ぶりの王座奪還の夢が潰えたアメリカはエドワーズが23得点、８リバウンド、リーブスが21得点とチームを牽引。そのほかミケル・ブリッジズが17得点、２ブロック、ジェイレン・ブランソンが15得点、７アシスト、ハートが９得点、５リバウンド、３スティールをあげるも、試合の大半で追いかける展開を強いられ、最後は力尽きた。

　ダーク・ノビツキーを擁し、銅メダルに輝いた2002年大会を超える過去最高位がきまったドイツは、初の栄冠を懸け10日の決勝でセルビアと激突。アメリカは隣国カナダとの３位決定戦に臨むこととなった。

構成●ダンクシュート編集部