サンアントニオ・スパーズは現在12連敗中と、厳しい状況が続いている。そんななかで19歳のルーキー、ヴィクター・ウェンバンヤマは、平均19.2点、9.5リバウンド、2.6ブロックと初年度からチームを牽引している。
ここまでパワーフォワードで出場している224cm・95kgのウェンバンヤマだが、グレッグ・ポポビッチHC(ヘッドコーチ)は「しばらくは静観する」と、自由にプレーさせた上で、彼に最も適したポジションやシステムを見出すつもりだと話している。
その際に例に挙げているのが、ヤニス・アテトクンボをスーパースターに育てたミルウォーキー・バックスだ。2019、20年に2年連続でMVPに輝いた”グリーク・フリーク”は、今から10年前の2013-14シーズンに18歳でデビューしたが、最初の数年間は様々なポジションでプレーしていた。
11月22日のボストン・セルティックス戦のあと、その時の経験についてフランスメディアに聞かれたアテトクンボは、「ウェンバンヤマにもそれが良い方法だと思う」と賛同している。
「あれは本当に役立ったし、今でも生かされている。最初はスモールフォワードのようなポジションだった。2年目は、よりシューティングガードに近い感じでプレーしていて、それからプレーメーカーを任された。
現在の自分がどんな選手になっているかはわからないけれど、どんな状況にも適応できるバスケットボール選手になったことは確かだ。ウェンバンヤマにも適したやり方だと思うよ。僕の時みたいに、(自分を)居心地の悪い状況やポジションに置くべきだ。それが彼の成長に役立つことは間違いないからね」
ルーキーイヤーは、平均6.8点、4.4リバウンドでオールルーキー2ndチーム止まりだったアテトクンボだが、それから6年後にMVP受賞、21年にはバックスを50年ぶり2度目のチャンピオンに導いた。
「NBA優勝」という青写真をすでに描いているウェンバンヤマが、実際に自分のような道程を歩むためのアドバイスとして、アデトクンボは後輩にこんな言葉を授けている。
「自分のことを知っている人は、僕が相当マニアックな性格なことは知っていると思うけど、試合後は、勝っても負けても、ジムに行ってウェイトを上げるんだ。彼にもそうした規律を持って取り組むことが必要だろうね。それに、そうすることで、フィジカル状態を良好に保つことができる。でも、忘れちゃいけないのは楽しむこと。コートで存分に楽しんでプレーすることだ」
アデトクンボがウェンバンヤマと最初に対戦するのは、12月19日。
「テレビでバスケは見ない」というヤニスは、まだNBA入りしてからのウェンバンヤマをじっくり観察していないとのことだが、弟のコスタスはフランスのアスベルに所属していた2021-22シーズンにウェンバンヤマとチームメイトだった。ヤニスは弟の試合や練習を見に来た際に、すでに彼の才能には感銘を受けていた。
「コートのどのスポットでもプレーできるところが好きだ。そうやって動き回ることでミスマッチを生み出し、常に相手にとって危険な存在になれるからね。彼には自分がこのリーグで成し遂げたいと思っていることすべてを実現できるだけの優れた才能がある。彼の可能性は無限大だよ」
NBAデビュー戦で着用したユニフォームが、オークションで76万2000ドル(約1億1380万円)と法外な価格で落札されたかと思えば、11月24日のゴールデンステイト・ウォリアーズ戦では名前の綴りが間違っていた(WEMBANYAMA がWEMBANYANAに)珍事も発生するなど、なにかと話題に事欠かないウェンバンヤマ。
敗戦続きにも「チームは正しい方向へと向かっている」と前を向くスター候補生に、欧州の大先輩も、熱いエールを贈っている。
文●小川由紀子
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その際に例に挙げているのが、ヤニス・アテトクンボをスーパースターに育てたミルウォーキー・バックスだ。2019、20年に2年連続でMVPに輝いた”グリーク・フリーク”は、今から10年前の2013-14シーズンに18歳でデビューしたが、最初の数年間は様々なポジションでプレーしていた。
11月22日のボストン・セルティックス戦のあと、その時の経験についてフランスメディアに聞かれたアテトクンボは、「ウェンバンヤマにもそれが良い方法だと思う」と賛同している。
「あれは本当に役立ったし、今でも生かされている。最初はスモールフォワードのようなポジションだった。2年目は、よりシューティングガードに近い感じでプレーしていて、それからプレーメーカーを任された。
現在の自分がどんな選手になっているかはわからないけれど、どんな状況にも適応できるバスケットボール選手になったことは確かだ。ウェンバンヤマにも適したやり方だと思うよ。僕の時みたいに、(自分を)居心地の悪い状況やポジションに置くべきだ。それが彼の成長に役立つことは間違いないからね」
ルーキーイヤーは、平均6.8点、4.4リバウンドでオールルーキー2ndチーム止まりだったアテトクンボだが、それから6年後にMVP受賞、21年にはバックスを50年ぶり2度目のチャンピオンに導いた。
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アデトクンボがウェンバンヤマと最初に対戦するのは、12月19日。
「テレビでバスケは見ない」というヤニスは、まだNBA入りしてからのウェンバンヤマをじっくり観察していないとのことだが、弟のコスタスはフランスのアスベルに所属していた2021-22シーズンにウェンバンヤマとチームメイトだった。ヤニスは弟の試合や練習を見に来た際に、すでに彼の才能には感銘を受けていた。
「コートのどのスポットでもプレーできるところが好きだ。そうやって動き回ることでミスマッチを生み出し、常に相手にとって危険な存在になれるからね。彼には自分がこのリーグで成し遂げたいと思っていることすべてを実現できるだけの優れた才能がある。彼の可能性は無限大だよ」
NBAデビュー戦で着用したユニフォームが、オークションで76万2000ドル(約1億1380万円)と法外な価格で落札されたかと思えば、11月24日のゴールデンステイト・ウォリアーズ戦では名前の綴りが間違っていた(WEMBANYAMA がWEMBANYANAに)珍事も発生するなど、なにかと話題に事欠かないウェンバンヤマ。
敗戦続きにも「チームは正しい方向へと向かっている」と前を向くスター候補生に、欧州の大先輩も、熱いエールを贈っている。
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