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NBA

「数年前まではガードが支配していた。でも…」エンビード、ヨキッチらに続き、若手の台頭で再びビッグマンの時代が到来?<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2024.01.24

昨季のファイナルMVPヨキッチ&シーズンMVPのエンビードを代表格に、現在のリーグはビッグマンを中心に回っていると言っても過言ではないだろう。(C)Getty Images

昨季のファイナルMVPヨキッチ&シーズンMVPのエンビードを代表格に、現在のリーグはビッグマンを中心に回っていると言っても過言ではないだろう。(C)Getty Images

 1月22日(日本時間23日)、フィラデルフィア・セブンティシクサーズのジョエル・エンビード(213cm・127kg:センター)が70得点、ミネソタ・ティンバーウルブズのカール・アンソニー・タウンズ(213cm・112kg:パワーフォワード/センター)が62得点を奪取。12月13日にはミルウォーキー・バックスのヤニス・アデトクンボ(211cm・110kg:パワーフォワード)が64得点をマークした。

 NBAの歴史を振り返ると、1950年代はジョージ・マイカン、60年代はビル・ラッセルとウィルト・チェンバレン、70~80年代はカリーム・アブドゥル・ジャバー、モーゼス・マローン、90年代はアキーム・オラジュワン、シャキール・オニール、パトリック・ユーイング、2000年代はティム・ダンカン、ケビン・ガーネット、ダーク・ノビツキーなど、ビッグマンがリーグの中心を担ってきた。

 しかし、2000年代中盤のハンドチェックルール廃止を機に、NBAではドライブを得意とするペリメーター、ガードの選手たちが台頭。2010年代にはステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)の影響で3ポイントシュートが大幅に増加し、今では1試合120得点超えも珍しくないハイスコアゲームが展開されている。

 今季ここまで(1月22日時点)リーグの平均得点は115.5点。これは歴代6位で、1969-70シーズン(同116.7点)以来のハイアベレージだ。
 
 ただ、過去5シーズンでMVPに選ばれているのはエンビード、デンバー・ナゲッツのニコラ・ヨキッチ、アデトクンボといったビッグマンで、今季も彼らがタイトル争いをリードしている。

 さらに今季の新人王を争うヴィクター・ウェンバンヤマ(サンアントニオ・スパーズ)とチェット・ホルムグレン(オクラホマシティ・サンダー)、パオロ・バンケロ(オーランド・マジック)やアルペレン・シェングン(ヒューストン・ロケッツ)といった若手ビッグマンたちの活躍も著しい。

 また、アンソニー・デイビス(ロサンゼルス・レイカーズ)、タウンズなどベテラン陣も健在で、リーグはビッグマンが支配する傾向へシフトしつつある。

「数年前までは、ガード陣がゲームを支配していた。でも今はビッグマンたちのゲームに戻ってきた。サイズがあっても、多くの仕事をこなせるビッグマンがリーグには揃っている。ゲームは変わっていくから、順応していく必要があるだろうね」とウェンバンヤマは言う。

 エンビード、ヨキッチ、アデトクンボが現在リーグのトップに君臨するなか、ウェンバンヤマやホルムグレン、シェングンら若手勢が今後さらに台頭していくことになれば、NBAの主役は再びビッグマンへ変わっていく可能性は十分ありそうだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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