渡邊は今年2月に4年ぶりにグリズリーズへ復帰。5試合に出場したが、ラスト19試合は“個人的な理由”で欠場しており、本人はその理由を「メンタル面」と説明した。
渡邊はジョージ・ワシントン大で4年間プレーし、2018年にグリズリーズと2WAY契約を結んでNBAデビュー。同球団で2シーズン過ごし、20年にはトロント・ラプターズとキャンプ契約から2WAY契約を勝ち取り、2年間プレー。22ー23シーズンはブルックリン・ネッツ、そして今季はサンズとグリズリーズに在籍した。
渡邊はNBAキャリアについて「僕が今までもらえていた契約は無保証だったり、部分保証と、チームとしてはいつでも解雇できる。そんな状態が何年も続いていたので、毎試合アピール合戦だった。練習でもそうだった。一挙手一投足を見られているような感じだった。まともな精神状態でプレーできていた時はなかった」と赤裸々に語った。
そのなかで昨夏にサンズと完全保証の2年契約(1年目終了後にプレーヤーオプション)をゲット。「凄く嬉しかったし、これからもっと良い契約を得ようと意気込んでいた」と意気揚々とシーズンに挑んだが、「自分の成績が良くなくてローテーションから外されて。でもサンズで優勝できれば、自分のやれることを精一杯やっていこうと。エゴだったり負の感情を捨てきってやっていったんですけど、2月にトレードが起きて、ショックも大きかった」と当時の心境を吐露した。
それでも、移籍先が当時のチームメイトやコーチがいるグリズリーズだったことは救いだったようで、デビュー戦となったニューオリンズ・ペリカンズ戦では25分間コートに立ち、シーズンハイタイの11得点をマーク。チームは敗れたものの、渡邊は後半に試合の流れを変える活躍を見せるなどアピールに成功した。
この試合を渡邊は「バスケを始めて最初の試合くらい緊張感があった。久々にバスケットが楽しいと感じた。試合に出ることが本当に楽しんだなと。自分としても100点の試合ではなかったけど、試合後は興奮して寝られなかった」と手応えを感じていた。
古巣で好スタートを切った渡邊だったが、「(次の試合の)チームミーティング前にコーチに『ユウタ、この試合は出ない』と言われて、今まではショックではなかったけど、その一言が(精神的に)効いて。初めて自分に食らったというか、これからキツイなと思ってしまった」と告白。
以降の試合で渡邊は「コートに出た瞬間に力が出なくなって、身体の筋肉が硬直する状態、全身に重りをつけられている感覚」に陥り、「(オールスター後も)症状は一切変わらず、コートに出た瞬間に身体がいうことを効かなくなった」という。
ただ、グリズリーズのサポートもあって現在メンタル面は回復したようで、「(NBAで)1ミリも後悔はないし、清々しい気持ち」と振り返った。
来季からBリーグでプレーすることについては「まだどのチームとも交渉していないので、ここから忙しくなりますが、そこも含めて楽しんでやれたら」と新たな挑戦に胸を躍らせていた。
構成●ダンクシュート編集部
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