NBA

崖っぷちに立たされたマブズ。ドンチッチは第4戦に向けて原点回帰「楽しんでプレーすることに立ち戻る」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2024.06.14

第3戦で痛恨の退場となったドンチッチ。次戦で初勝利をあげ、優勝の望みをつなぐことができるか。(C)Getty Images

 ホームのアメリカンエアラインズ・センターで迎えた6月12日(日本時間13日)のNBAファイナル第3戦。2011年以来の頂点を目指すダラス・マーベリックスは、会場にレジェンドOBのダーク・ノビツキーやスティーブ・ナッシュらが駆けつけ、総勢2万311人ものファンが見守った。

 序盤にチームに勢いをつけたカイリー・アービングが、シリーズベストかつゲームハイの35得点に3リバウンド、2アシストをマーク。さらにルカ・ドンチッチが27得点、6リバウンド、6アシスト、PJ・ワシントンが13得点、8リバウンド、デレック・ライブリー二世が11得点、13リバウンドと躍動した。

 しかしセルティックスから勝利を奪うことはできずに99-106で敗戦。第1クォーターで手にした13点リードは瞬く間に消え、第4クォーター序盤には21点ビハインドを背負う窮地に追い込まれた。

 そこからホームの大歓声もあって息を吹き返し、残り3分37秒にはアービングのジャンパーで1点差、残り1分20秒にもライブリー二世のダンクで2点差まで肉薄したものの、歓声は溜め息に変わった。
 
 試合後、「僕らには(勝利を掴む)チャンスがあった。勝利に近づいていたんだ。それをモノにできなかっただけ。せめて僕がコートに出ていられたら…」とドンチッチが話した通り、マブズは試合時間残り4分12秒に大エースが痛恨のファウルアウト。これがなければ結果は違うものになっていたかもしれない。

 激闘から一夜明けた13日、マブズは会場でフィルムセッションをこなし、アービングが相棒について言及した。

「僕が彼(ドンチッチ)に送ったメッセージは『君は1人じゃない』ってこと。彼はケガとかいろいろな要素があるなか、ベストを尽くしてプレーしていた。持ちうるすべてをチームに持ち込んでくれている。だから彼のせいなんかじゃない」

 とはいえ、プレーオフの4戦先勝シリーズで3勝0敗になった過去156例のうち、逆転が起こった例は皆無。ファイナルの舞台でも3勝をしている側がすべて優勝しているため、データ上では0勝3敗のマブズがセルティックス相手に4連勝することは不可能に近いと言っていい。
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「楽しんでプレーすることに立ち戻っている」とドンチッチ