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「俺にはその才能がある」エンビードが“GOAT入り”に名乗り! 「もちろん、チャンピオンシップを複数回勝ち獲ることが必要」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2024.07.23

実力は申し分ないエンビード。この男に足りないのは“健康体”と“優勝経験”に尽きるだろう。(C)Getty Images

 7月26日に開幕するパリオリンピックで5大会連続の金メダルを狙うアメリカは、歴代最高級の豪華メンバーが名を連ねている。シーズンMVP経験者はレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)、ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、ケビン・デュラント(フェニックス・サンズ)、ジョエル・エンビード(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)と4人もおり、12人中11人がオールスター経験者とタレントの多さは出場国の中で群を抜いている。

 そのなかでもチームにとって待ち望んでいた戦力がセンターのエンビードだ。カメルーン出身で、フランス代表入りの可能性もあった30歳は、昨年10月にチームUSA入りを発表。大会前のエキシビションマッチではFIBAルールへのアジャストに苦戦する場面も見られたとはいえ、国際大会では海外のビッグマン勢がペイントエリアで猛威を振るうだけに、213cm・127kgの巨漢がロスター入りしたことは非常に大きい。

 そんななか、7月21日(日本時間22日)にエンビードが米メディア『The New York Times』のインタビューに応じ、"史上最高の選手"を意味するGOAT入りについて持論を展開した。

「俺にはその才能がある。もちろん、チャンピオンシップを複数回勝ち獲ることが必要だし、他の誰かと一緒に勝つ必要がある。誰だって1人じゃできない。だからこそ、俺は心底勝ちたいんだ」

 一昨季に外国籍選手として史上初の得点王に輝き、MVPに選ばれたエンビード。昨季は左ヒザのケガなどで39試合の出場にとどまったものの、それでも平均34.7点、11.0リバウンド、5.6アシスト、1.18スティール、1.69ブロックと暴れ回った。
 
 エンビードがデンバー・ナゲッツのニコラ・ヨキッチ、ミルウォーキー・バックスのヤニス・アデトクンボと並び、現役最高級のビッグマンであることは誰もが認めるところだろう。しかし、マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)やレブロン、コビー・ブライアント(元レイカーズ)らを中心としたGOAT論に名前が挙がることは皆無だ。

 というのも、エンビードはキャリアで優勝はおろか、カンファレンス・ファイナルまで勝ち進んだことがない。昨プレーオフでは平均33.0点、10.8リバウンド、5.7アシスト、1.17スティール、1.50ブロックこそ残すも、シクサーズは1回戦でニューヨーク・ニックスに2勝4敗で敗れている。

 シクサーズはエンビードを中心とした布陣でプレーオフを勝ち上がることができておらず、本人も優勝経験がないこと、そしてケガの多さが"GOAT入り"の障壁になっていると語る。

「俺のGOAT入りの妨げになるのはここ数年続いているケガの数々だろう。毎年、プレーオフやレギュラーシーズンで誰かが俺のヒザに落ちたり、顔面にぶつかってくる。いつも嫌なタイミングでケガに見舞われているんだ」

 これまで、エンビードは足やヒザ、顔面骨折、顔面神経の麻痺、偏頭痛などで本来のパフォーマンスを発揮できずに悔しい思いを重ねてきた。

 ポール・ジョージ、ケイレブ・マーティン、エリック・ゴードンら新戦力が加入した今季のシクサーズで、エンビードは健康体を維持して最後までプレーできるのか。パリ五輪のパフォーマンスともども注目が集まる。

文●秋山裕之(フリーライター)

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