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NBAチームからのオファーを断り、オリンピアコス移籍を決断したフォーニエ「ここでキャリアを終えるのが理想」<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2024.09.07

フォーニエは12年間のNBAキャリアに終止符を打ち、今季からギリシャのオリンピアコスでプレーする。(C)Getty Images

 今夏のパリオリンピックでフランス代表の銀メダル獲得に貢献したガードのエバン・フォーニエが、12年間のNBAキャリアに終止符を打ち、欧州に復帰する。

 所属先は熱狂的ファンが多いことで知られるギリシャの強豪オリンピアコスだ。

 9月4日、アテネの空港に到着したフォーニエが、数千人のオリンピアコスファンからロックスター並みの歓待を受けた様子は、ソーシャルメディア上でも多数発信された。

 2012年のNBAドラフトでデンバー・ナゲッツから1巡目20位で指名を受けて世界最高峰のリーグに足を踏み入れたフォーニエは、14年オフに加入したオーランド・マジックで主力に定着。ここで7年間充実したキャリアを送ったあと、ボストン・セルティックスにトレードされた。

 21年オフにはニューヨーク・ニックスに移籍し、初年度はスターターを務め、22年1月の古巣セルティックス戦では3ポイント10本を含むキャリアハイの41得点をマーク。このシーズンに記録した239本の3ポイントは、球団の年間最多記録にもなった。

 しかし翌シーズンからは構想外となり、出場時間は激減。昨季も開幕から約4か月で3試合しか出番が与えられず、2月にデトロイト・ピストンズにトレードされていた。
 
 ニックスのトム・シボドーHC(ヘッドコーチ)は、フォーニエの退団について、「彼はこの球団にフィットすると思った。そして1年目はうまくいった。ただチーム全体が成長していく時、そこに合わなくなる者は必ず出てくる。それは、その選手が好きか嫌いかといったような類いのことではないんだ」とコメントしている。

 チームが目指す方向性に、フォーニエがフィットしなくなったことが、ローテーションから外れた原因であるということだった。

 そんなフォーニエにとって、欧州への復帰は「少し前から頭の片隅にあった」と、ギリシャに旅立つ前に『レキップ』紙のインタビューで明かしている。

 このオフも、NBAの複数球団からコンタクトがあったものの、「若手のメンター役になってほしい」といった趣旨のものが多く、心を動かされるオファーはなかった。

 オリンピック期間中は完全にフランス代表にフォーカスしていたフォーニエが、大会後に強く感じたのは、「熱く燃えたい」ということだった。

 フォーニエのフィーリングにぴったり合ったオファーがオリンピアコスからのものであり、彼らとは相思相愛でもあった。
 
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