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“ルーキーHC”フェルナンデスが目指す新生ネッツの姿。「これまでで最もユニークで、ハードなキャンプだった」と選手からも高評価<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2024.10.11

昨年のW杯と今年のパリ五輪でカナダ代表を率いたフェルナンデスHC。今季からNBAネッツの指揮官となる。(C)Getty Images

 ルーキーたちにとって、デビューシーズンはキャリアで一度きりの貴重な経験だ。そしてそれは選手だけでなく、コーチにとっても同じことである。

 今シーズン、ブルックリン・ネッツのヘッドコーチ(HC)を務めるジョルディ・フェルナンデスは、NBAの指揮官として迎える最初のシーズンに向け、充実したプレシーズンを送っている。

 ドラフトによる新戦力の獲得もなかったネッツにとっては、今季も再建のベース作りに勤しむ年となりそうだが、新HC とともにシーズンの調整を進める選手たちからは、早くも「新たなアイデンティティを築こうという意識が感じられる」といったポジティブな感想が聞こえている。

「僕たちは新しい自分たちのアイデンティティを見つけようとしている。それは、常にコート上で最もフィジカルで、スピードのあるチームである、ということだ」と話すのは、メンフィス・グリズリーズからのトレードで今夏ロスターに加わった4年目のフォワード、ザイエア・ウィリアムズだ。

 フェルナンデスHCは、キャンプではフィジカルトレーニングに重点を置いたハードなプログラムを敢行したそうで、今季が12シーズン目のチーム1のベテラン、デニス・シュルーダーも「これまでの12年間でおそらく最もユニークで、ハードなトレーニングキャンプだった」と語っている。
 
 シュルーダーいわく、トレーニングでは試合形式の練習を繰り返し行ない、フルコートでのピックアップの徹底、ディフェンス側もオフェンス側もハードなプレス対応を叩き込まれたという。

「これまでの感じはものすごく気に入っている。みんなも同じ意見みたいだ。コーチ陣は、俺たちがオーガナイズされたまとまったグループになるよう、素晴らしい仕事をしてくれている」と、ドイツ代表のキャプテンは感想を口にしている。

 また、キャメロン・ジョンソンは「スクリメージや実戦形式の練習では、つい手を抜いてしまいがちになる。 実際、みんな疲労を感じながらプレーしていたけれど、その点についても、自分たちに管理する責任があるんだということを身をもって知らされた。ハイレベルのコンディションでプレーし続けるためには、それは欠かせないことだからね」と、フィジカル重視のトレーニングの効用を語っている。
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アシスタントコーチやカナダ代表HCの経験を経て、NBAの指揮官に