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「エイプリルフールの冗談かと」“ショータイム・レイカーズ”を支えた名脇役クーパーが殿堂入りの舞台裏を明かす<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2024.10.14

“ショータイム・レイカーズ”を支えたクーパーが殿堂入りを果たした。(C)Getty Images

 現地時間10月13日(日本時間14日、日付は以下同)、2024年のバスケットボール殿堂入り式典がマサチューセッツ州スプリングフィールドにあるシンフォニー・ホールで開催された。

 今年は8度のオールスター選出を誇るヴィンス・カーター(元トロント・ラプターズほか)、2004年のファイナルMVPチャンシー・ビラップス(元デトロイト・ピストンズほか)などが殿堂入り。さらに1980年代に"ショータイム・レイカーズ"で一世を風靡したロサンゼルス・レイカーズのメンバーから、マイケル・クーパーもその栄誉を授かった。

 カリフォルニア州ロサンゼルス生まれのクーパーは、201cm・77kgの細身のウイングプレーヤー。ニューメキシコ大で2シーズンをプレーしたのち、1978年のドラフト3巡目全体60位でレイカーズから指名されてNBA入りし、1978-79~89-90シーズンにかけての12年間を"パープル&ゴールド"のユニフォームに袖を通してNBAキャリアを全うした。

「私の人生はスムースな道のりではありませんでした……。ですが、NBA入りする上で必ずしも歩みを早める必要はなかったんです。ドラフトの3巡目60位で、誰かが私に賭けてくれたのです」

 式典で自身のキャリアをそう振り返ったクーパーは、2年目の1979-80シーズンからローテーション入りし、主にシックスマンとして台頭。
 
 マジック・ジョンソンやカリーム・アブドゥル・ジャバーらとともに1980、82、85、87、88年と計5度のNBAチャンピオンへ輝き、レギュラーシーズン通算873試合の出場で平均27.1分、8.9点、3.2リバウンド、4.2アシスト、1.2スティールをマークしてきた。

 そんなクーパーが今年の殿堂入り決定を知らされたのは4月1日のこと。その時について、笑みを交えながら地元メディア『Los Angeles Times』へこう語っていた。

「はじめに電話をもらったのがエイプリル・フールの日だったから、最初はジョークかと思ったね。妻が隣で座っていて、スピーカーフォンで聞いて『わかった。いいさ。これはエイプリル・フールの酷いジョークなんだろ』って感じだった。

 そしたら『いや違う。クープ。君は殿堂入りするんだ』と言ってくれてね。本当は期待していなかったんだ。以前にも電話を受けていて、その時は選ばれなかったから。だから今回殿堂入りが決まって『僕は殿堂入りするんだ!』と叫んでいたよ」

 これまで何度か殿堂入り候補に挙がっていたクーパーだったが、惜しくも選出を逃していた。それだけに、ようやく選ばれて喜びもひとしおだったに違いない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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