専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
NBA

“屈辱の試合”を経て本格化するウィザーズのドラ2新人アレクサンドル・サー。その背景にあるのは慣れと自信、私生活の充実<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2025.01.06

序盤戦は壁にぶつかったサーだが、月を追うごとに調子を上げてきている。(C)Getty Images

序盤戦は壁にぶつかったサーだが、月を追うごとに調子を上げてきている。(C)Getty Images

 12月の月間最優秀新人に、ウエスタン・カンファレンスからはニューオリンズ・ペリカンズのイブ・ミッシが、イースタン・カンファレンスからはワシントン・ウィザーズのアレクサンドル・サーが選ばれた。奇しくも2人ともポジションはセンター、そして東西の最下位に沈むフランチャイズで奮闘するルーキーだ。

 とりわけ、2024年のNBAドラフトで2位指名を受けたサーにとっては、その評価の裏付けとなる意義ある受賞だと言える。

 サーは、開幕前にラスベガスで行なわれたサマーリーグでの ポートランド・トレイルブレイザーズ戦で、30分間コートに立って15本放ったシュートをすべて外すという残念なパフォーマンスに終始。『ESPN』によると、フィールドゴール成功数0本の選手の試投数としては、2017年以降のサマーリーグで最多の数字だという。レギュラーシーズンでも史上2位タイの不名誉な記録であり、「シュート力に定評があり、3ポイントも打てるビッグマン」という前評判に少なからず傷をつけていた。

 しかし、12月に入ってからは出場全試合で2桁得点と安定したパフォーマンスを披露。とりわけ3ポイント成功率は、10月が23.8%だったのに対し、11月は24.6%、12月は45.5% と飛躍的に向上している。
 
 サー自身は「常に同じマインドで3ポイントを打っている。最初の月はあまり入らなかったけれど、それで躊躇するようなことはなかった。続けていくうちに入るようになってきた」と”慣れ”の問題であるという主旨の発言をしている。一方、ルーキー仲間のカールトン・キャリントンは、『スポーツ・イラストレイテッド』に寄せられた記事の中で「サーのプレーに自信が増してきた」と指摘している。

「自分が何者であるかを理解している感じで、どこに属し、何をすべきかというマインドセットを持ってプレーしている。試合へのアプローチについても、集中力が別レベルになってきて、それがパフォーマンスにも表われているんだ」。

 ウィザーズはキャリントン、サーに加えてキーショーン・ジョージと、今年のルーキー3人を多用。サーのここまでの成績を見ても、平均得点はジャレッド・マケイン(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ/15.3)に次いで新人中2位の12.1点、平均リバウンドもイブ・ミッシ(ニューオリンズ・ペリカンズ/8.4)、ザック・イディー(メンフィス・グリズリーズ/7.9)に次ぐ3位の6.5、そして平均ブロックは1.6でトップ、リーグ全体でも9位という上々の数字を残している。
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号