専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
国内バスケ

【Bリーグ】米カリフォルニア出身の22歳が台頭 渋谷の“ダンクキッズ”が日本代表として28年ロス五輪を狙う

大島和人

2025.01.14

渋谷で台頭著しいトロイ・マーフィー・ジュニア。(C) B.LEAGUE SHOOT

渋谷で台頭著しいトロイ・マーフィー・ジュニア。(C) B.LEAGUE SHOOT

 サンロッカーズ渋谷に楽しみな才能が台頭している。トロイ・マーフィージュニアは米カリフォルニア州出身の22歳。ドミニカン大学カリフォルニア校を中退し、2022−23シーズンに当時B2だった越谷アルファーズでプロキャリアをスタートさせた。富山グラウジーズを経て、今季からB1の強豪・渋谷に移籍している。

【動画】マーフィージュニアが活躍した三河戦
 193センチ・93キロのウイングプレイヤーで、母のルーツと国籍が日本。スピード、跳躍力で彼と同レベルの日本人選手を探すことは至難だろう。アメリカ育ちだが、日本語の会話も特に問題はない。

 渋谷はアンソニー・クレモンズ、ベンドラメ礼生、田中大貴と高いレベルのハンドラーを3枚擁している。この3名は経験値も高い「鉄板」のレギュラーで、マーフィージュニアにとってはかなり高い壁だった。

 しかし1月11日のシーホース三河戦は、中地区のプレーオフ圏内を争うライバルに対して鮮烈なプレーを見せた。18分30秒の出場で9得点、1アシストを記録。3ポイントシュートを75%の高確率で決め、83-74と勝利する立役者の一人になった。

 11日の試合後に、マーフィージュニアはこう語っている。

「僕の仕事はちゃんとオープンショットを打って決めて、激しいDFをすることだけど、そこは頑張ってできた。だけど成長したいとなったら、プレーメイクやパスを頑張らなければいけない」

 マーフィージュニアも流れの中でハンドラーを任される場面は何度かあったが、ターンオーバーが「4」とやや多かった。この試合に限らず先輩ハンドラーのようなスキルや状況判断、インサイドとの連携を身につけることが現時点の課題だ。

 とはいえそのアスリート性は抜群だ。「中学からバスケを始めたので、結構すぐダンクが出来た」というから、その天性たるや恐るべしである。5フィート11インチ(180センチ)の13歳がダンクを決める驚異は、バスケを多少なりとも知っている人ならすぐ分かるだろう。

 そんな異能を見込まれ、マーフィージュニアはBリーグがオールスターゲームの前日、1月18日に開催するダンクコンテストにも選出されている。自らを「ダンクキッズ」と称する彼は抱負をこう口にする。

「ダンクコンテストに出られるのは本当に夢みたいなものなので、楽しみにしています。明日の試合が終わったら、オールスターまで全部ダンクの練習です」

 確かにそのプレーはまだ荒削りだ。ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチも「21歳、22歳はヨーロッパならば若手の中に入らない」と甘えを許さないコメントをしていた。しかし「このチームは僕が今までやっていたバスケと違うから、最初はちょっと難しかった」というヨーロッパスタイルのバスケにも適応し、出場時間を勝ち取りつつある。

 日本代表への意欲を尋ねると「もちろん狙っています」と食い気味に答えを返してくれた。その理由を彼はこう言葉にする。

「次のオリンピックはロサンゼルスなので、僕の地元だから、もう絶対に出なきゃいけない」

 マーフィージュニアは2028年のロス五輪を25歳で迎える。その頃にどんな選手になっているのか、今から楽しみだ。

取材・文●大島和人(スポーツライター)
【画像】「超可愛い!」「顔ちっちゃ」と話題沸騰! 日本男女バスケ代表に熱いエールを贈った“勝利の女神” 広瀬すずの厳選ショットをお届け!

【画像】パリ五輪を戦ったバスケットボール男子日本代表のメンバー12名を一挙紹介!

「比江島くらいになれるのでは」指揮官も絶賛する越谷の大卒ルーキーに注目! ほぼ“ぶっつけ”本番のデビュー戦も「めちゃくちゃセンスがある」【Bリーグ】
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号