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NBA

起用法に不満を募らせるヒールドが自身の移籍報道に“いいね”。さらに「これはマジなんだ」との“念押し”も

秋山裕之

2020.10.03

 すると、皮肉なことにチームは白星先行へと好転し、シーディングゲームへの出場権を獲得。フォックスがスコアリングリーダーとなり、キングスはオールスター後からシーズン中断まで、ウエスタン・カンファレンス4位の7勝3敗(勝率70.0%)という好成績を残してみせた。

 キャリア4年目となったヒールドは、今季全体で平均19.2点、4.6リバウンド、3.0アシストをマーク。3ポイントはリーグ2位の271本(1試合平均平均3.8本)を沈め、成功率も39.4%と上々だった。

 ヒールドは昨秋に4年8600万ドル(約90億3000万円)の高額な延長契約を結んだばかりで、27歳と今まさに全盛期を迎えつつある。シュート力には絶対の自信を持っており、キャッチ&シュート、プルアップを問わずにスムースな動きから長距離砲を沈め、爆発力も備えるなど対戦相手からすれば危険なスコアラーだ。
 
 今季はスターターで出場した44試合で平均34.4分、20.0点、5.0リバウンド、3.3アシストを記録した一方で、ベンチスタートとなった28試合では平均25.1分、17.9点、3.8リバウンド、2.5アシストと、全体的に成績がダウン。ただしシュート成功率で見てみると、スターター出場時(フィールドゴール41.6%、3ポイント36.0%)よりもベンチスタート(フィールドゴール45.4%、3ポイント45.1%)の方が高く、キングスとしても効率的だったという結果が見てとれる。そのため、ウォルトンHCが下した選手起用は、決して間違いだったと言い切ることはできない。

 それでも、今季の役割のままではヒールドのフラストレーションが爆発し、不満分子になってしまう恐れもあるだけに、来季開幕までに放出する可能性もありそうだ。というのも、先日現地メディアが「フィラデルフィア・セブンティシクサーズがトレードでヒールドを獲得することに関心がある」というツイートをしたところ、なんとヒールド本人が“いいね”を押した上に、「いやマジで、これはガチなんだ」とコメントもしていたからである。

 ジョエル・エンビード、ベン・シモンズという、ペイントエリアでリーグ十指に入る強力なスコアラーを2人も抱えるシクサーズにとって、ヒールドのようなアウトサイドで脅威となる選手は是が非でも手に入れたいところ。ドック・リバースHCを新たな指揮官に迎えたシクサーズが、本格的にヒールド獲得へ動き出したとしても決しておかしくはないだろう。今後、ヒールドの動向は注目を浴びることになるかもしれない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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