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NBA

【ユーロバスケット2022】フランスが連日の大逆転劇で4強入り!2戦連続で“残り数秒2点ビハインド”から奇跡の生還<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2022.09.15

 そしてこのタルペイこそが、今大会のフランス代表の陰の立役者と言うべき存在だ。

 フランスリーグのル・マンに所属し、同国代表に選ばれたのは2021年11月というやや遅咲きの28歳を、ゴベアも「最初はよく知らなかった」と語っているくらいだから、フランスのバスケファンの間でもほぼ無名の存在だった。

 しかし、NBA組やユーロリーグ参戦クラブの選手が出場できないシーズン中の代表戦でチャンスを掴むと、今回のユーロバスケットでもメンバー入り。さらにグループラウンドの2試合目からは、スターターに抜擢された。彼の重要性についてコレHC  は、「ほかの選手が怠るようなことを、ひたすらやる選手」だと描写する。

「彼は何でもやってくれる、チームの土台といってもいい。リバウンドを取り、スティールをし、ディフェンス、そして我々のオフェンスにバランスをもたらしているのも彼だ。私自身、合宿を始めた6週間前の時点では、彼がこれほどまでに重要な選手だとは気づいていなかった。だから最初の頃は、第3クォーターに2分間だけ使う、というような使い方をしていたが、その間に彼はすべてをやってのけた。おのずと重要性は増していき、今や彼はチームのリーダーの1人だ。得点で牽引するようなリーダーではなく、チームにとって必要な仕事をやってくれるという意味でのリーダーだ。そしてそういう存在こそが、チームにとって最も必要な選手なのだ」
 
 来年のワールドカップも視野に入れているフランスにとって、タルペイの発掘は、この大会での大きな収穫のひとつとなっている。

 一方のイタリアは、チームの麗しい団結力に加え、ジャンマルコ・ポツェッコHCの独特のキャラクターもあって人気を得ていただけに、ベスト4入りを目前にしての敗退が惜しまれた。

 しかし、この日フリースローを外したフォンテッキオを指揮官は、「この大会で(イタリア代表の)ダントツのMVP」と称賛。キャプテンのルイジ・ダットーメも、「彼がいなければ、我々はここまでこれていない」と26歳の成長株を労った。この悔しさをバネに来たる新シーズン、NBA(ユタ・ジャズ)での活躍を期待したいところだ。

 ちなみにポツェッコHCはラウンド16でセルビアに勝利した後、自身のクレジットカードを選手たちに渡して「これで好きなだけ祝杯をあげてこい」と大判振る舞いをしたことが話題になった。敗退後もお疲れ会を催していることだろう。

文●小川由紀子
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