専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
NBA

神がかり的な勝負強さで好スタートを切ったブレイザーズ。指揮官とエースが語った快進撃の理由とは?<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2022.11.11

 昨季はリラードが腹部の手術によりシーズン後半戦を欠場。9年ぶりにプレーオフ進出を逃したが、今季は大黒柱が復帰を遂げただけでなく、チーム全体の仲間意識や熱意が向上しているようにも見える。そしてそれはまさに、就任2年目のチャンシー・ビラップスHCが求めていたチーム像だ。

 そうしたチームワークや連帯感の向上がコート上のプレーに直結しているのが、ディフェンス面。リラードは言う。

「これまでは、オフェンスが好調な試合でも相手に120点とか取られてしまっていた。でも今シーズンは、オフェンスがいまひとつの試合でもディフェンスの方で踏ん張れている。それは俺たちが、意識的にディフェンスに努力とエネルギーを注いでいるからだ。そのことは大きな違いだと思う」

 ビラップスHCも十分に手応えを得ている。

「しっかりディフェンスをしたい、みんなで一緒にやりたい、コミュニケーションを取り合いたいという気持ちがあり、フロアの両サイドをしっかり意識できるメンバーが集まっていれば、いくらでも可能性は広がる」
 
 そんなブレイザーズの課題はターンオーバー。1試合平均16.5本は現在リーグ25位。ヒート戦でも、前半に犯した13回のターンオーバーから相手に20点を与えている。

「こんな試合をしていては勝てない」とビラップスHCは試合後に苦言を呈したが、後半は6回のターンオーバーから4失点に修正。最終的には先述の通り、劇的なブザービーターで勝利を手にしたところが、今季のチームが持つ底力か。

 リラードは後半に修正できた要因として、「選手たちがよりボールへの集中力を高めたこと」を挙げたが、そうした修正力やチーム間の意思の共有、さらに粘り強さは、貴重な武器だと言えるだろう。

 82試合をこなすレギュラーシーズンのわずか10試合では判断材料に乏しいが、チームが前回、開幕7勝3敗のスタートを切った2018-19シーズンには、プレーオフでカンファレンス・ファイナル進出を果たしている。

 強固なケミストリーと粘り強さを手にしたトレイルブレイザーズの快進撃はどこまで続くか。今後も注目していきたい。

文●小川由紀子
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号