連敗を脱出したクリッパーズにとって、新たに先発入りしたテレンス・マンや新加入タイスの献身的なプレーも光るが、ウエストブルックが見せる“自己犠牲の精神”こそ重要だとタロン・ルーHC（ヘッドコーチ）も確信している。

　指揮官はウエストブルックにベンチスタートを続けて欲しいと話しており、ポイントガードとしてセカンドユニットのペースを上げることを望んでいるという。
  「彼にとって、今はアジャストする期間。PG（ジョージ）、カワイと一緒にスターターを務めることとは少し違う。しかし彼は素晴らしくやってくれている。彼はオフェンスをクリエイトしたり、プレーメーキングするためにボールが必要な男なんだ。これまでのところ、我々にとっていい仕事をしてくれているよ」

　ウエストブルックにとって、セカンドユニットとしてプレーすることは本望ではないはず。だがハーデンを加えてビッグ４を形成した現状で、チームが機能するために必要な犠牲を払い、ベンチスタートを受け入れたことは、チーム全体へ好影響を与えるに違いない。

文●秋山裕之（フリーライター）