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NBA

“高校No.1プレーヤー”からケガによる転落、そして再生…ナゲッツ連覇のキーマン、ポーターJr.の躍進を支えたもの<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2024.01.19

 カレッジ時代の2017年に受けた最初の手術から、ポーターJr.はこれまで3度、背中にメスを入れている。その影響から、安定させるための器具(ブレース)を左足につけてプレーしているのだが、以前インタビューでは「いつもこのブレースは自分の欠点だと思っていた」と語っている。

 ハイスクール時代には全米No.1選手に選ばれ、稀代のシューターとして高い評価を受けながらも、2018年のドラフトでは14位。予想以上に低い順位での指名に終わったのも、この背中のケガのためにカレッジで思う存分プレーできなかったことが大きかった。

 その後も、イメージ通りのプレーができないことで常にジレンマを感じていたというが、それは2021年9月にナゲッツと5年間のMAX契約を結んだことで、さらに増加した。

 契約から間もない12月に3度目の手術を受け、その後のシーズンを全休することになると、リハビリの苦痛に加えて「その契約に見合った選手なのか?」という巷の声が彼を苦しめた。

 そんな時、ポーターJr.を救ったのが「日記をつけること」だったという。
 
 今では朝のルーティンとなっているとのことだが、毎朝、ポジティブなことを見つけてはノートに記録する。この習慣のおかげで、リハビリ中も「進歩していること」に目を向けることができた。さらには欠点としか思っていなかったブレースも、「これがあるから、自分は手術後も安全にプレーできるんだ」と前向きな思いに変わったのだという。

「高額契約に値しない」といった批判の声があふれていたソーシャルメディアからも距離を置くようになった。これはチームの大黒柱であるヨキッチを倣ったものだそうだが、それだけでなく、ヨキッチが毎試合後にリフティングをしている姿を見て、彼も同じことを始めた。ヨキッチはポーターJr.にとって、最高のロールモデルであるらしい。

 かつてNo.1プロスペクトと期待された栄光があっただけに、度重なる背中の手術は、ポーターJr.が思い描いていたキャリアを違うものに変えてしまったかもしれない。しかし、そこから得た学びを糧に、”シャープシューター”を超える”万能戦士”への道を、心強いチームメイトや指導者たちのもと彼は歩み出している。

文●小川由紀子
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