ガソルとノビツキーを比較すると、ガソルはレイカーズでコビー・ブライアントらとともに2009、10年に連覇を達成。その翌年、ノビツキーが大黒柱としてマブズを初優勝へ導いている。

　得点・リバウンド・アシストと３拍子揃ったガソルの貢献度は大きかったとはいえ、当時のレイカーズの顔はコビーだった。一方のマブズ初優勝は、ノビツキーの活躍なくしてあり得なかった。パーカーの言うように、NBAでの実績に限ればノビツキーの方が上だろう。

　なお、パーカーはスパーズで彼らを上回る４度の優勝を経験。ただ当時のスパーズにはティム・ダンカンという絶対的な柱がおり、アルゼンチン出身のマヌ・ジノビリとともにビッグ３を形成して黄金期を築いた。
  　３選手の代表チームでの実績を見ると、ユーロバスケットで３度の金メダル（2009、11、15年）、オリンピックで２度の銀メダル（2008、12年）、ワールドカップで金メダル（日本開催の06年）を手にしたガソルに分がある。国際大会では紛れもない大黒柱として全盛期のスペインを牽引した。

　これにはパーカーも「時々思うよ。パウ・ガソルが生まれていなければ、ってね。（彼がいなければ）もっと多くの金メダルを勝ち獲っていただろうね」と悔しさを露わにする場面も。

　それでもパーカーは、「ダークが最初に成し遂げたんだ。フランチャイズプレーヤーになれるんだとね。ダークがヨーロッパ出身の選手として、僕らへ道を切り拓いてくれたんだ」と、NBAでの実績を評価し、ノビツキーをヨーロッパ出身のGOATとしていた。

文●秋山裕之（フリーライター）