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NBA

NBAに起こる“フランス旋風”。同胞ウェンバンヤマも「今ドラフトで彼以上の才能を知らない」と絶賛するドラ1ザカリー・リザシェイのすべて<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2024.07.01

 父がまだ現役でプレーしていたリヨンの北部にあるシャロンで、3歳からバスケを始めたザカリー少年は、家の庭にあった小さなバスケットでいつも遊んでいたそうだ。「子どもの頃は、いつも父について体育館に行っていた。家に帰ってからも庭のバスケットで一緒にプレーして、話すこともいつもバスケットボールのことばかりだった」と、リザシェイはユーロリーグのインタビューでそう振り返っている。

 その後リヨン近郊のクラブを経て、15歳でトニー・パーカー(元スパーズほか)が会長を務めるアスヴェルの育成部門に入団。そこで2、3歳年上の選手たちとともに切磋琢磨する中で、彼は急速に成長を遂げた。

 メンバーの1人として参戦したフランス国内リーグのユース部門で2021-22シーズンに見事優勝すると、フランス王者として翌シーズンには、若手の登竜門と言われるユーロリーグのユース版アディダス・ネクストジェネレーションに出場。リサシェは着実かつ的確な道を辿って、一歩一歩キャリアを切り開いてきた。
 
 アスヴェルではユースチームに所属する傍ら、16歳で初めてプロの試合にも出場するなど徐々に経験値を積み上げていたが、よりチームの主軸として責任を背負ったプレーを体験すべく移籍を決意。NCAAの大学やドラフト候補生を育てるオーストラリアリーグのクラブからも誘いがある中、ここでも彼が選んだのは、リヨンから遠くなく、家族の側で過ごせる同じフランスリーグProAのJLブールだった。

 JLブールは優勝経験こそないが、歴史ある堅実なクラブ。そこでチーム最年少ながらスターターの座を勝ち取ると、JLブールはProAでベスト4、さらにユーロリーグのアンダーカテゴリーにあたるユーロカップでファイナル進出という大躍進を遂げる。リザシェイはProAとユーロカップの両方で、2023-24シーズンの年間最優秀若手選手に選ばれた。

 難しい体勢からもシュートをねじ込むボディバランスの良さやアリウープ時の跳躍力など、父親の言葉通り一目で彼の運動神経の良さは見て取れるが、加えて際立つのは、ティーンエイジャーとは思えない落ち着いた試合運びや視野の良さだ。
 
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