そんなセルティックスの功労者について、アレンはこう話す。

「みんなはダニー・エインジに感謝する必要がある。確かにブラッド・スティーブンスは素晴らしい仕事をした。けどダニーがポールとケビンをブルックリン（ネッツ）へ送った動きなしでは、決して今回の優勝は起こらなかったんだ。あのトレードがセルティックスの未来を確保した。それによってこのチームを今後10年間も引っ張っていくことになる」
  　2008年のセルティックス優勝に不可欠だったビッグ３は、アレンが2012年にヒートへ移籍したことで解体。ピアースとガーネットは翌2013年７月のトレードでネッツへ移籍し、セルティックスはその見返りとして複数の選手たちとドラフト指名権を獲得した。のちにこれがブラウン、（指名権のトレードを経て）テイタムの指名につながった。

　もちろん、セルティックスの昨季優勝はテイタムとブラウンが毎年成長を続けてきたことが大前提。だがその裏でエインジがこの２人の能力を最大限に引き出すべく、カイリー・アービング（現ダラス・マーベリックス）を皮切りにテリー・ロジアー（現ヒート）、ケンバ・ウォーカー（元シャーロット・ホーネッツほか）らをロスターに加えるなど試行錯誤してきたからこそ、今の強力な布陣が生まれたと言っていいはずだ。

文●秋山裕之（フリーライター）

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