日本の特徴をよく知るトゥーパンHCは、彼女たちと対戦する時の難しさについてこう描写している。

「日本の選手たちはとても器用で、よく動く。そして選手同士の連動が良い。こうしたチームは非常に対戦しにくい。特にトランジションの場面、オフェンスからディフェンス、ディフェンスからオフェンスの切り替えが非常に素早い。こうした相手に慣れていないと、常にその点を十分に意識して対応することが求められるが、わかっていても忘れてしまう時がある。一瞬でも集中力を失うと、すぐにその代償を払うことになる。

　私が今日の勝利は、楽勝などではなかったと言ったのはそれが理由だ。今日はたまたま集中が保てて、相手の３ポイントもそれほど入らなかった。でも次に当たった時はどうなるかわからない」
  　日本の恩塚亨HCも、高さで勝る相手とのインサイド勝負ではなく、「それを上回る機動力と組織力が、自分たちが戦う土俵」と話していた。

　本番間近のタイミング、しかもメダル候補のフランスとの対戦で、相手にとって脅威となる点、逆に課題とする点が明確に炙り出されたのは、日本にとって有益だったと言えるだろう。

文●小川由紀子

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