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NBA

「良いことも、悪いことも楽しめた経験を学びの道具として使う」カワイ・レナードの勝利の哲学は、クリッパーズに初優勝をもたらすか?

北舘洋一郎

2020.01.17

潤滑油、起爆剤…そういったレベルをはるかに超えた感覚で、まるで水のようにプレーするのがレナードだ。(C)Getty Images

潤滑油、起爆剤…そういったレベルをはるかに超えた感覚で、まるで水のようにプレーするのがレナードだ。(C)Getty Images

 クリッパーズのヘッドコーチ(HC)、ドック・リバースは「まずは受け入れることから始めている」 とレナードを評する。例えるならレナードはブルース・リーのようだ。Like Water(水のごとく)という哲学のようなものがある。心を空にして、型を捨てて、形を無くす。水のようにだ。

 リバースHCは「試合の流れを見ながら、もしチームメイトのポール・ジョージやモントレズ・ハレルが好調であれば彼らを使いながら、自分はどこでシュートを決めればいいのかを常に探っているのがレナード」と言う。

 レナード自身は、「シームレスな試合展開こそ強いチームにしかできないこと」と言っているように、状況判断を他の選手たちとは違うレベルで行なっていることになる。チームに好機をもたらす選手のことを潤滑油や起爆剤などと表現することがあるが、そのレベルを数段超えたものを提供しているのがレナードなのだ。
 
 フィラデルフィア・セブンティシクサーズと対戦した昨季のカンファレンス・ファイナル準決勝の第7戦、レナードは同点で迎えた最終盤に劇的なブザービーターを決めた。彼はこのプレーについて「もちろん決めたことに興奮したけど、それは後からついてきたこと。純粋にシュートを打った時は入ると思ってシュートしたし、外すという気持ちはまったく無かった。その翌日に考えたことは、この勢いをそのままファイナルまで維持させたいということだった」と振り返っている。

 正直、レナードはスーパースターでありながら自らスポットライトの下に立つことを好まない。彼の友人たちもNBAでプレーしていること以外は、大学時代から何も変わっていない生活をしているという。常にレッドカーペットを歩いてきたレイカーズのレブロン・ジェームズとは対照的なパーソナルだ。

 また、彼が所属するクリッパーズは1984年にロサンゼルスにフランチャイズを移転して以来、下町のNBAチームだった。人気面ではレイカーズとは雲泥の差があり、華やかさとは縁遠いチームだった。そのため、現在でもクリッパーズはロサンゼルスの下町出身の庶民から人気が高い。そういう意味で言えば、レナードのキャラクターとクリッパーズのカルチャーはマッチしている。

 今シーズン、レナードがクリッパーズに創設初めての優勝をもたらすことができれば、NBAに新たな歴史を刻むことになるだろう。

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文●北舘洋一郎
 
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