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NBA

球団史上最年少の50得点に幻の同点弾。マジックのバンケロが歩むNBA次世代スターへの道<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2024.11.01

 ちなみにこの最後のシュートは、「トレント・タッカー・ルール」なる、1980年代から90年代にかけてニューヨーク・ニックスなどでプレーしたトレント・タッカーにちなんだルールによって無効と判定された。

 90年1月15日のブルズ戦、残り0.1秒でタッカーが放ったダメ元の3ポイントが見事に決まってニックスが勝利。しかしこの得点について当時のブルズのヘッドコーチ、フィル・ジャクソンが意義を唱えたのをきっかけに検証され、キャッチ&シュートの場合は最低0.3秒が必要、という結果に至った。ここから、正規なシュートを打つ場合は最低0.3秒が必要、それ以下の場合はタップインかダンクならOK、というルールが制定されたのだ。

 NBAでは翌90-91シーズンから、FIBAでは20年後の2010年からこのルールが正式に採用されている。
 
 今回、このようなケースがあって改めて「そんなルールがあったのか」と思い出されるが、試合後の会見で、「決まったと思ったか?」と聞かれたバンケロも「思ったよ。実際ボールは入ったしね」と回答。

「でも0.1秒しかなかったから無効になったのは理解できる。それにこのプレーよりも、その前のポゼッションの場面でもっとやりようがあった」と、続けて反省点を指摘したところに、彼の聡明さがうかがえる。

 冒頭に述べたように、この試合後に負傷離脱が発表されてしまったが、208cmの屈強な体格とスピード、スキルを併せ持つバンケロは、スーパースターとなるべき素質を備えている。復帰後も存分に暴れてくれそうだ。

文●小川由紀子
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