元MVPで、シーズン平均のトリプルダブルを前人未到の４度も達成してきたウエストブルックは、ここ数年は所属先で適応に苦しみ、持ち前のエネルギッシュなプレーが空回りすることもあったが、マローンHCは“文句なしの殿堂入り選手”と高く評価している。

「彼はノミネートされれば即座に殿堂入りする選手で、歴代最高のポイントガードの１人。私は彼が毎日リーダーシップとタフネスをエゴなしに持ち込んでくれていることに感心している」

　新天地で再び輝きを放っているウエストブルックは、前述のホークス戦でも先発出場して16得点、11アシストのダブルダブルで勝利に貢献。今季この男が先発した試合でチームは９勝２敗と、間違いなくポジティブな効果を生み出している。
  　ホークス戦後のインタビューで、ウエストブルックは満面の笑みを交えてヨキッチとのケミストリーをこう語っていた。

「彼は世界最高の選手。俺の仕事は彼のゲームを楽にさせることだが、彼はそれをチーム全員のためにこなしている。彼とフロアで一緒にプレーできて嬉しいね」

　36歳の大ベテランになろうと、ウエストブルックは無限のエナジーでチームを活気づけている。レギュラーシーズン通算トリプルダブル数でNBA歴代トップのウエストブルック（201回）と３位のヨキッチ（144回）のデュオが、中盤戦以降もナゲッツを力強く牽引していく。

文●秋山裕之（フリーライター）