26日のクラシコで交代を告げられて激怒し、シャビ・アロンソ監督と握手もせずにロッカールームへ消えたヴィニシウス・ジュニオールの振る舞いが顰蹙を買っている。そして、レアル・マドリーには指揮官が扱いに苦慮しているブラジル人選手がもう1人いる。エンドリッキだ。
9節のヘタフェ戦では、終盤にウォーミングアップをしていた中、出場できないと悟るやベンチに戻り、苛立ちからウォーターボトルを蹴った行動が話題になった。この試合を含め、ラ・リーガ第5節のエスパニョール戦に怪我から復帰して以来、いまだに出場機会はゼロだ。
エムバペが真のエースとして君臨し、ゴンサロ・ガルシアが急台頭。そして自身の負傷明けのコンディション不足と、いくつかのマイナス要素が重なっているとはいえ、マドリーの内情に精通するフリージャーナリストのホルヘ・ピコン氏は、「明らかな理由もなく突然起用されなくなった。確かにエンドリッキはこの状況を予測し、夏に移籍すべきだったかもしれないが、それでも今シーズンここまで1分も出場していないのは謎」とシャビ・アロンソ監督の起用法に疑問を呈する。
このエンドリッキが現在置かれている状況を受け、冬の市場のオープンが約2か月後に控える中、移籍話が囁かれている。ピコン氏もその可能性に言及し、「エンドリッキの周囲では新監督に対する怒りと不信感が渦巻いている。8試合(ラ・リーガ6試合とチャンピオンズリーグ2試合)連続でベンチを温め、その間、新加入のアルゼンチン人、フランコ・マスタントゥオーノが監督のお気に入りとなっていくところを見てきたのだから、無理はない。エンドリッキは周囲にもう限界と訴え、たとえ短期のレンタル移籍であっても、サンティアゴ・ベルナベウを離れる未来を描き始めている」と述べている。
スペイン紙『AS』も同様に、「エンドリッキがシャビ・アロンソ監督の今シーズンの戦力構想に入っていないのはもはや明らかだ。選手本人に近い情報筋によると、監督は代理人に、冬の移籍市場でマドリーを離れるためのオファーを吟味するよう許可を出した」と報じている。
マドリーはエンドリッキの獲得に固定額だけで3500万ユーロ(約62億円)の移籍金を投じている。同じブラジルからの"青田買い組"であるヴィニシウスとロドリゴは加入後、徐々に出場機会を増やしながら主力の仲間入りを果たしたが、ピコン氏は、「巨額の投資を行なって獲得した有望な若手選手としては異例ながら、クラブはレンタルで武者修行させる方向に傾いている」と続ける。
エンドリッキが移籍を視野に入れ始めた大きな要因が、来年夏に控える北中米ワールドカップの存在だ。彼のような若手がメンバー入りを勝ち取るには、所属クラブでのアピールが不可欠なのは言うまでもない。ブラジル代表でも立場を暗転させたのが、マドリーでG・ガルシアに第2FWの座を奪われる原因にもなった、昨シーズン末のハムストリングの負傷で、その直前の3月シリーズを最後に代表から遠ざかっている。
その一方で、この不測の事態にもマドリーで成功する夢を諦めておらず、『AS』によると、移籍先も対戦する可能性の低い海外のクラブを希望しているという。さらに出場機会がある程度保証され、チャンピオンズリーグのようなショーケースになりやすいコンペティションに出場しているクラブを優先事項に据えている。
昨シーズンは、全コンペティションで847分に出場し、7ゴールと非凡な得点力を見せた。『AS』は今夏も少なくないクラブが扉を叩いたと伝えており、オファーに事欠くことはないだろう。一部のメディアではマンチェスター・ユナイテッド、マルセイユ、ウェストハム、レアル・ソシエダなどが候補として名前が挙がっているが、まだまだ憶測の域を出ない。もちろん1試合、1ゴールで状況が一変するのがサッカーの世界でもある。神童のピッチ内外での動向に注目が集まる。
文●下村正幸
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9節のヘタフェ戦では、終盤にウォーミングアップをしていた中、出場できないと悟るやベンチに戻り、苛立ちからウォーターボトルを蹴った行動が話題になった。この試合を含め、ラ・リーガ第5節のエスパニョール戦に怪我から復帰して以来、いまだに出場機会はゼロだ。
エムバペが真のエースとして君臨し、ゴンサロ・ガルシアが急台頭。そして自身の負傷明けのコンディション不足と、いくつかのマイナス要素が重なっているとはいえ、マドリーの内情に精通するフリージャーナリストのホルヘ・ピコン氏は、「明らかな理由もなく突然起用されなくなった。確かにエンドリッキはこの状況を予測し、夏に移籍すべきだったかもしれないが、それでも今シーズンここまで1分も出場していないのは謎」とシャビ・アロンソ監督の起用法に疑問を呈する。
このエンドリッキが現在置かれている状況を受け、冬の市場のオープンが約2か月後に控える中、移籍話が囁かれている。ピコン氏もその可能性に言及し、「エンドリッキの周囲では新監督に対する怒りと不信感が渦巻いている。8試合(ラ・リーガ6試合とチャンピオンズリーグ2試合)連続でベンチを温め、その間、新加入のアルゼンチン人、フランコ・マスタントゥオーノが監督のお気に入りとなっていくところを見てきたのだから、無理はない。エンドリッキは周囲にもう限界と訴え、たとえ短期のレンタル移籍であっても、サンティアゴ・ベルナベウを離れる未来を描き始めている」と述べている。
スペイン紙『AS』も同様に、「エンドリッキがシャビ・アロンソ監督の今シーズンの戦力構想に入っていないのはもはや明らかだ。選手本人に近い情報筋によると、監督は代理人に、冬の移籍市場でマドリーを離れるためのオファーを吟味するよう許可を出した」と報じている。
マドリーはエンドリッキの獲得に固定額だけで3500万ユーロ(約62億円)の移籍金を投じている。同じブラジルからの"青田買い組"であるヴィニシウスとロドリゴは加入後、徐々に出場機会を増やしながら主力の仲間入りを果たしたが、ピコン氏は、「巨額の投資を行なって獲得した有望な若手選手としては異例ながら、クラブはレンタルで武者修行させる方向に傾いている」と続ける。
エンドリッキが移籍を視野に入れ始めた大きな要因が、来年夏に控える北中米ワールドカップの存在だ。彼のような若手がメンバー入りを勝ち取るには、所属クラブでのアピールが不可欠なのは言うまでもない。ブラジル代表でも立場を暗転させたのが、マドリーでG・ガルシアに第2FWの座を奪われる原因にもなった、昨シーズン末のハムストリングの負傷で、その直前の3月シリーズを最後に代表から遠ざかっている。
その一方で、この不測の事態にもマドリーで成功する夢を諦めておらず、『AS』によると、移籍先も対戦する可能性の低い海外のクラブを希望しているという。さらに出場機会がある程度保証され、チャンピオンズリーグのようなショーケースになりやすいコンペティションに出場しているクラブを優先事項に据えている。
昨シーズンは、全コンペティションで847分に出場し、7ゴールと非凡な得点力を見せた。『AS』は今夏も少なくないクラブが扉を叩いたと伝えており、オファーに事欠くことはないだろう。一部のメディアではマンチェスター・ユナイテッド、マルセイユ、ウェストハム、レアル・ソシエダなどが候補として名前が挙がっているが、まだまだ憶測の域を出ない。もちろん1試合、1ゴールで状況が一変するのがサッカーの世界でもある。神童のピッチ内外での動向に注目が集まる。
文●下村正幸
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