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新生マドリーの“3大ニューフェイス”に試練到来 スペイン紙が語るカレーラス、ハイセン、マスタントゥオーノの現在地

下村正幸

2025.11.16

今季からマドリーでプレーする(左から)カレーラス、ハイセン、マスタントゥオーノ。(C)Getty Images

 新生レアル・マドリーの起爆剤として活躍し、その驚異的な適応力を称賛されていたディーン・ハイセン、アルバロ・カレーラス、フランコ・マスタントゥオーノの3人のニューフェイスが、新シーズンが進むにつれて、三者三様の浮き沈みを経験している。いずれも共通しているのは、高額移籍金で加入した若手である点。それだけ重圧のかかる状況に置かれているからこそ3人の適応ぶりは特筆に値した。

 カレーラスにとって最初の挫折となったのが、アトレティコとのダービー戦だ。マッチアップしたジュリアーノ・シメオネに左サイドを支配され、辛辣な批判を浴びた。しかしその後の強豪との対戦ではラミン・ヤマル(バルセロナ)とモハメド・サラー(リバプール)をそれぞれ完璧に封じるなど、1対1の守備力の高さを発揮。再び持ち直している。
 
「瞬時に状況を把握しながら、積極的にボールに絡む。派手さはないが、早くからシャビ・アロンソ監督の信頼を勝ち取ったのもコンプリートな選手だ」とフリージャーナリストのアドリアン・ブランコ氏が評価する攻撃力の高さも武器に、完全に左SBのポジションを手中に収めている。

 アトレティコ戦でそのカレーラスとともに左サイドに陣取り、クロス対応の甘さを見せたハイセンもまた試合後、厳しく叩かれた。ただ彼の場合は、クラブワールドカップのボルシア・ドルトムント戦、ラ・リーガのレアル・ソシエダ戦で一発退場処分を受けるなど、その前から危うさを垣間見せていた。現地では大一番でその傾向が強いという意見が多く、10日前のチャンピオンズリーグ(CL)リバプール戦でも軽率なボールロストを繰り返した。

 とはいえ、ハイセンのその才能は折り紙付きだ。とりわけ加入以来、中盤の選手顔負けの配給力が高く評価されているが、フリージャーナリストのセグロラ氏は「優れた資質と拙い判断、そして時折露呈する守備の軽さが入り混じっている」と苦言を呈する。
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マスタントゥオーノはフィニッシュに絡む働きの少なさが課題