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16年前、“レジェンド”バッジョが示した伊サッカー再建の「詳細な計画」に母国紙が再注目! 900ページにも及ぶ改革案は「連盟からは全く考慮すらされず…」

THE DIGEST編集部

2026.04.07

またしてもW杯出場を逃したイタリア代表。(C)Getty Images

またしてもW杯出場を逃したイタリア代表。(C)Getty Images

 イタリア代表がワールドカップ予選プレーオフで敗退を喫し、これで本大会出場を3大会連続で逃す異例の事態となった。

 4回の世界制覇を誇る「アッズーリ」の凋落には、国内外から厳しい視線が注がれているが、イタリアのスポーツ紙『Gazzetta dello Sport』はこの危機をめぐり、かつてドイツ代表の再建に深く関わったオリバー・ビアホフの提言と、過去にロベルト・バッジョが示しながら葬り去られた改革案を並べて紹介。イタリア・サッカー界が長年積み残してきた課題の重さを改めて浮かび上がらせた。

 現役時代はウディネーゼ、ミランといったセリエAのクラブで活躍し、引退後は母国のサッカー連盟スタッフ、代表チームのディレクターを歴任したビアホフは記事の中で、ボスニア・ヘルツェゴビナに敗れたイタリアについて「彼らがまたもや敗退したなんて信じられないが、それが3回連続で起きているのなら“偶然”ではない」「かつてのようなクオリティーが、もはやイタリアにはない。良いチームなら、あのような形で敗退はしない」と断じた。

 さらにビアホフは、EURO2020の優勝が一時的に問題を覆い隠したにすぎないと見ており、「あれは個々のクオリティーによるものではなく、正しい形でまとまった“集団”としての勝利だった」と指摘。スペインやポルトガルのようにビッグクラブから求められる選手が居並ぶチームとは異なるとし、「失礼ながら、今のイタリアには“需要”がなく、どんな監督でも問題を抱える」「ジェンナーロ・ガットゥーゾ監督率いるチームは戦い、ハートも見せたが、それだけでは足りない。違いを生むのはクオリティーだ」と語っている。

「イタリアは1990年代で止まってしまっている。サッカーは変わり、準備も変わり、強度はさらに高くなった」と厳しい言葉を投げかけた元ドイツ代表FWは、90年代後半から2000年初頭にかけて低迷したドイツが立ち直る過程を振り返り、「若手のためのアカデミーを整備し、指導者教育を改善し、プログラムと哲学を変え、フィジカル偏重を抑えて技術を重視した」と回想。そして、「魔法を使える監督などいない。選手を育て、より多くの出場機会を与え、外国人選手より優れた存在にしていかなければならない」と訴えた。
 
 同紙が同時に掘り起こしたのが、今から16年前、2010年南アフリカ大会で前回の世界制覇から一転して無残なグループリーグ敗退を喫した後、FIGC(イタリアサッカー連盟)の技術部門責任者に任命されたレジェンド、ロベルト・バッジョが中心となってまとめた900ページにも及ぶ「改革案」の存在だ。

 同紙は、「それは場当たり的な大掃除論ではなく、50人が関わって細部まで練り上げた、競技全体を立て直すための詳細な計画だった。しかし、FIGC上層部からは“全く考慮すらされなかった”」と報道。バッジョ自身も後年、「それを提出した時、説明までに5時間も待たされた末に、話せたのは15分だけだった」と明かしている。

 その構想は、単なる「精神論」ではなかったという。そこには、「適切なスポーツ施設、100か所規模の連盟センターの整備に加え、地域レベルでのデータ収集やモニタリング、学位とプロ経験、教育的資質を備えた指導者の養成、さらに現場と連係する常設研究グループの創設まで盛り込まれていた」。若年層の育成では、戦術偏重ではなく技術重視を打ち出し、「全ての若手は、身体面と技術面を組み合わせたテストを受けるべきだ」との、バッジョの信念が示されていたという。

 加えて、「全国を100地区に分けて各地区に3人の連盟コーチを置き、全国で年間5万試合を視察し、育成部門と日常的に連係しながら、練習、テスト、試合映像を蓄積した巨大なマルチメディア・データベースを作るというスカウティング体制も構想していた」というが、この案も結局は宙に浮いたまま、実現されることはなかった。

 要職を辞任した後の「私は基礎から育成を刷新し、良い選手であると同時に、良い人間を育てようとした。しかし900ページの計画は死文化したままだった。私は椅子に座っていたいのではなく、物事を実行したかった」という言葉からは無念さが滲み出ていた。

 それでもバッジョは、「私はサッカーと祖国を愛している。この国のスポーツ界のためになることであれば、どんな取り組みにも協力する用意がある」と語っているが、同紙は記事の最後で「あの900ページが、再び日の目を見ることはあるのだろうか」と懐疑的に綴っている。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】ボスニア・ヘルツェゴビナ対イタリアのハイライト
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