バルセロナにとってパリ・サンジェルマン戦は現在地を測る格好の一戦だった。2014-15シーズンから遠ざかっているチャンピオンズリーグの王座奪還は全バルセロニスタの悲願であり、相手は2連覇中の王者だ。バルサはCLグループフェーズで2連勝発進していた。しかし、不測の事態が起きた。最も懸念されていたDF陣に怪我人が相次いだ点である。アンドレアス・クリステンセン、ジュル・クンデ、エリク・ガルシア、ジェラール・マルティンの4人だ。加えて週末の日曜日、10月25日にはクラシコが控えている。
クラブOBのカルレス・レシャック氏も、試合当日に「パリで強烈な一撃を食らわせられる展開になればそれに越したことはないが、無理をせず安全に立ち回る必要があるなら、落ち着いて対処すべきだ。今週最も重要な試合はレアル・マドリー戦だ」と明言していた。
結果としてハンジ・フリック監督は、8試合連続で先発出場中だったMFロドリをベンチスタートとした。CBはパウ・クバルシとともに、起用可能となったジェラール・マルティンが組んだ。さらに1-1のタイスコアで迎えた60分、MFペドリとFWラフィーニャを下げた。時を同じくしてロドリが投入されたが、試合後にクラシコを見据えた温存だったかと問われた指揮官は、「分かりやすく言えばその通りだ。彼は代表で長い時間プレーした。今朝2人で話し合い、この判断を下すと伝えた。チームにとっても彼にとってもいい選択だった」と認めている。
この試合を評価するには、まずこの前提に立つ必要がある。スペイン紙『SPORT』のジョアン・ベイルス編集長が「パリは自らの得意とする展開に持ち込んだ。素早いトランジション、縦への推進力、スピードを駆使して、ボールロストにつけ込む形である。対するバルサは、試合をコントロールする手立ても、自らのペースに引き込む方法も見出せなかった。追い打ちをかけるようにMFダニ・オルモが負傷交代し、隣にロドリがいないペドリはバランスと判断の明晰さを失い、守備の脆さが増した。中盤を掌握できなければ、DF陣にしわ寄せがいくのは当然の帰結である」と解説するように、前半はほぼフルコートマンツーマンでビルドアップとパスワークを封じにかかる相手のプレスに苦しんだ。
38分のパリの先制点もFWラミネ・ヤマルのパスミスからだったが、GKジョアン・ガルシアの好守で前半を1失点で耐え、後半は相手の運動量低下とともに押し込む時間が増えた。その流れからDFシャビ・エスパルトのゴールが生まれた。その後、再び突き放されるもヤマルのゴールで追いついた。だが、そこからMFヴィティーニャに3点目を奪われ、MFファビアン・ルイスのゴールで突き放された。
スペイン紙『AS』のフアン・ヒメネス記者は「枠内シュートを15本打たれた事実は看過できない。チームは脆さを露呈し、前シーズンから引きずる課題として、1-1の場面でも2-2の場面でも試合の流れを手放さずに踏みとどまることができなかった」と守備組織と試合運びに言及している。
ヤマルのパスミスからの1点目に加えて、セットプレーからの2点目、ペナルティーエリア手前の中央でこぼれ球を拾ったヴィティーニャに右足を振り抜く時間とスペースを与えてしまった3点目、カンセロがファーサイドに走り込んだファビアンに気付かずクロスを押し込まれた4点目。「パリに勝つには、激しい強度を維持しつつ極めて高い精度を発揮しなければならないが、バルサはその水準に達していなかった」とフリージャーナリストのアルベル・ブラヤ氏が指摘する通り、ゴール前での対応の差が勝敗を分ける大きな要因となった。
終盤まで追い詰めたとはいえ、実力差は依然として存在する。バルサだけでなく、パリ側もベンチ外のDFヌーノ・メンデスに加え、試合中にFWウスマンヌ・デンベレ、DFマルキーニョス、FWフビチャ・クバラツヘリアと主力が次々と負傷交代した事実も考慮する必要がある。
試合後、ラフィーニャは「こうなる可能性があることは分かっていた。相手は強い。起こるべきタイミングで起きたことだ。改善してクラシコをいい状態で迎えるために、監督の指示をしっかり消化しなければならない」と語った。
フリック監督も「パリは我々より優れたチームであることを示した。我々は多くの学びを得た」と述べている。この敗戦を糧に、若いチームはさらなる成長を遂げなければならない。
文●下村正幸
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クラブOBのカルレス・レシャック氏も、試合当日に「パリで強烈な一撃を食らわせられる展開になればそれに越したことはないが、無理をせず安全に立ち回る必要があるなら、落ち着いて対処すべきだ。今週最も重要な試合はレアル・マドリー戦だ」と明言していた。
結果としてハンジ・フリック監督は、8試合連続で先発出場中だったMFロドリをベンチスタートとした。CBはパウ・クバルシとともに、起用可能となったジェラール・マルティンが組んだ。さらに1-1のタイスコアで迎えた60分、MFペドリとFWラフィーニャを下げた。時を同じくしてロドリが投入されたが、試合後にクラシコを見据えた温存だったかと問われた指揮官は、「分かりやすく言えばその通りだ。彼は代表で長い時間プレーした。今朝2人で話し合い、この判断を下すと伝えた。チームにとっても彼にとってもいい選択だった」と認めている。
この試合を評価するには、まずこの前提に立つ必要がある。スペイン紙『SPORT』のジョアン・ベイルス編集長が「パリは自らの得意とする展開に持ち込んだ。素早いトランジション、縦への推進力、スピードを駆使して、ボールロストにつけ込む形である。対するバルサは、試合をコントロールする手立ても、自らのペースに引き込む方法も見出せなかった。追い打ちをかけるようにMFダニ・オルモが負傷交代し、隣にロドリがいないペドリはバランスと判断の明晰さを失い、守備の脆さが増した。中盤を掌握できなければ、DF陣にしわ寄せがいくのは当然の帰結である」と解説するように、前半はほぼフルコートマンツーマンでビルドアップとパスワークを封じにかかる相手のプレスに苦しんだ。
38分のパリの先制点もFWラミネ・ヤマルのパスミスからだったが、GKジョアン・ガルシアの好守で前半を1失点で耐え、後半は相手の運動量低下とともに押し込む時間が増えた。その流れからDFシャビ・エスパルトのゴールが生まれた。その後、再び突き放されるもヤマルのゴールで追いついた。だが、そこからMFヴィティーニャに3点目を奪われ、MFファビアン・ルイスのゴールで突き放された。
スペイン紙『AS』のフアン・ヒメネス記者は「枠内シュートを15本打たれた事実は看過できない。チームは脆さを露呈し、前シーズンから引きずる課題として、1-1の場面でも2-2の場面でも試合の流れを手放さずに踏みとどまることができなかった」と守備組織と試合運びに言及している。
ヤマルのパスミスからの1点目に加えて、セットプレーからの2点目、ペナルティーエリア手前の中央でこぼれ球を拾ったヴィティーニャに右足を振り抜く時間とスペースを与えてしまった3点目、カンセロがファーサイドに走り込んだファビアンに気付かずクロスを押し込まれた4点目。「パリに勝つには、激しい強度を維持しつつ極めて高い精度を発揮しなければならないが、バルサはその水準に達していなかった」とフリージャーナリストのアルベル・ブラヤ氏が指摘する通り、ゴール前での対応の差が勝敗を分ける大きな要因となった。
終盤まで追い詰めたとはいえ、実力差は依然として存在する。バルサだけでなく、パリ側もベンチ外のDFヌーノ・メンデスに加え、試合中にFWウスマンヌ・デンベレ、DFマルキーニョス、FWフビチャ・クバラツヘリアと主力が次々と負傷交代した事実も考慮する必要がある。
試合後、ラフィーニャは「こうなる可能性があることは分かっていた。相手は強い。起こるべきタイミングで起きたことだ。改善してクラシコをいい状態で迎えるために、監督の指示をしっかり消化しなければならない」と語った。
フリック監督も「パリは我々より優れたチームであることを示した。我々は多くの学びを得た」と述べている。この敗戦を糧に、若いチームはさらなる成長を遂げなければならない。
文●下村正幸
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