海外サッカー

「懸念材料が解消された」アジアカップ延期の恩恵「重要な時期に失わずに済んだ」日本人選手のクラブ残留、欧州各国メディア大歓迎

THE DIGEST編集部

2026.11.05

27年1月から2月にかけて行なわれる予定だったアジアカップが延期。リヨンの中村敬斗ら、海外日本人選手のチーム離脱が避けられることになった。(C)Getty Images

 AFC(アジアサッカー連盟)が11月3日、中東情勢の悪化に伴う様々な事情により、来年1月にサウジアラビアで開催予定だったアジアカップの延期を発表。新たな日程は2027年12月23日から翌年1月21日までで、今後、FIFA(国際サッカー連盟)の承認を経て正式決定されるという。

 アジアカップの延期は大会に招集されるはずだった各国選手が引き続き所属クラブに留まれることを意味し、これについては各国メディアもポジティブに報じている。

 久保建英が所属するレアル・ソシエダの地元紙『noticias de Gipuzkoa』は、「クラブにとって、今回の決定は非常に好ましい結果となった。ペッレグリーノ・マタラッツォ監督は、1月を通して久保を起用できることになり、日本代表アタッカーを欠く可能性を心配する必要がなくなった。これにより、久保もシーズンのこの重要な時期に、ソシエダでの戦いに集中できることになる」と歓迎した。

 フランス紙『Ouest-France』も、「リーグ・アンの4クラブが恩恵を受けた。大会に出場する可能性があった選手を引き続きチームに留めることができるようになった」と綴り、「ル・アーブルは瀬古歩夢と中村草太を引き止め、リヨンは加入以来、好調なパフォーマンスを発揮している中村敬斗を起用し続けられる。さらにリールでは、上田綺世とカルビン・フェルドンク(インドネシア)がチームに残り、レンヌでもムーサー・アル・タマリ(ヨルダン)が引き続きプレーする」と伝えている。

 負傷により戦線を離脱している上田についてはフランスのサッカー専門メディア『Foot en France』も、「『レ・ドーグ(=猛犬、リールの愛称)』にとっての懸念材料が解消された。この決定が、競技面にもたらす影響は明白だ。本人のコンディション次第だが、ダビデ・アンチェロッティ監督は、本来なら1月の一部、さらには日本代表の勝ち進み方によっては2月初めまで起用できなかった可能性のある攻撃の選択肢を、引き続き確保できることになった」と報じている。

 
 今夏に加入したアストン・ビラで早くも不動の守護神となった鈴木彩艶に対しても、同クラブを専門とするジャーナリストのダン・バーデル氏が『Aston Villa Roundtable』で「シーズンの重要な時期に鈴木を失わずに済むことになった」として、残留を喜び、次のように続けた。

「鈴木の離脱の可能性については、以前から懸念が示されてきた。シーズンのとくに重要な時期に、6~8試合にわたって正GKを欠く可能性があったからだ。その場合、代役を務めるのはマルコ・ビゾトだっただろう。オランダ人GKは豊富な経験を持ち、信頼できるバックアップとしてクラブに迎え入れられた選手。とはいえ、鈴木が現在のチームにとって極めて重要な存在としての地位を確立していることは、否定しようのない事実だ」

 同氏は、今回の延期を「朗報」としたが、同時に「12か月後にふたたび同じような状況に直面する可能性もある」と指摘。さらなるこのポジションでの戦力補強の必要性を強調した。また、「日本代表として主要な国際大会に出場することは、鈴木にとって非常に大きな名誉であるという点も忘れてはならない。今回、その機会が先延ばしになったことを、本人もきっと残念に思っているはずだ」と同情も示している。

 一方、日本代表監督に注目したのは、英紙『The Guardian』。大会延期が森保一監督の去就にどのような影響を与えるかに言及した。日本では11月のブラジル代表戦、パラグアイ代表戦が最後の指揮と言われているなか、「すでに大岩剛が後任として就任する方針が示されている」と報じた。

 また記事では、現役時代にサンフレッチェ広島で活躍し、北中米ワールドカップでオーストラリア代表を率いてグループステージ突破(ベスト32)という結果を残したトニー・ポポビッチが、母国サッカー連盟から長期契約を提示されながらも固辞し、アジアカップが最後の指揮となる予定だったことも紹介されている。

構成●THE DIGEST編集部
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