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日本代表

久保建英の立ち位置は?マジョルカ首脳陣が思い描く9月デビューの青写真

ガブリエル・フォルテサ

2019.08.29

(C)Getty Images

(C)Getty Images

 久保建英のマジョルカ入団を境にしていま、マジョルカ島では「タケマニア」が巻き起こっている。1日も早くこの若きサムライが繰り出すドリブル、パス、ゴールを目にしたいと、ファンの間ではデビュー待望論が高まるばかりだ。

 しかし、ビセンテ・モレーノ監督は久保を2節・レアル・ソシエダ戦の招集メンバーから外した。入団してから試合までのマジョルカ島での滞在期間がわずか3日間、全体練習に参加したのが2度のみという準備不足がその決断の最大の根拠だ。

 しかも今週末の3節・バレンシア戦(現地時間9月1日:メスタージャで開催)が終わった後、ラ・リーガはインターナショナルブレイクに突入する。久保は日本代表に選出されることが確実視されており、9月の最初の10日間ほどチームを離れることになる。久保にとってもチームにとっても新しい環境への適応という点ではマイナス要素で、ほぼ確実にデビュー戦はインターナショナルブレイク明けまでずれ込みそうだ。

 しかしプレシーズンキャンプの全日程がすでに終了し、シーズンが開幕した後のタイミングで入団したのだから、それも致し方ない。準備が不足している状況でデビューさせ、中途半端なパフォーマンスに終わってしまっては返って本人にもチームにもマイナスになる。
 ましてや、ビセンテ・モレーノ監督は実力重視の采配を徹底することで、2年間でチームを2部B(実質3部)から1部に引き上げた実績がある。現在のチームにはその2度の昇格を経験した選手たちが主力を担っており、したがって戦術の完成度も高い。

 久保の能力はすでにレアル・マドリーの選手として見せたプレシーズンマッチでのプレーぶりで織り込み済みだ。チームメイトの特徴、監督の戦術、チーム内での役割の理解が進めば、自ずとチームへの貢献度は増していくはずだ。

 久保もファンも今は我慢の時。9月中旬に準備が整った状態でデビューを果たし、そこから徐々に連携の深まりとともにパフォーマンスを高めながら中心選手への階段を駆け上がっていく。それが首脳陣が思い描いている久保の起用の青写真だ。

文●ガブリエル・フォルテサ(アス紙マジョルカ番)
翻訳●下村正幸
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