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海外サッカー

久保建英の現状に“バルサ寄り“メディアが痛烈な皮肉…期待の新星と比較し「ファティはレギュラー、タケはベンチ」

THE DIGEST編集部

2020.10.01

4試合連続でベンチスタートの久保自身も、現状には満足していないはずだ。(C)Getty Images

4試合連続でベンチスタートの久保自身も、現状には満足していないはずだ。(C)Getty Images

 今季よりビジャレアルに加入した久保建英。ラ・リーガ第4節のアラベス戦では、4試合連続となる後半途中からの出場となった。15分間のプレーの中で、慣れない左サイドだったこともあり、決定的な働きは見せられなかった。

 久保がまたしてもスタメンを外れたことに失望したファンは少なくなかったようだが、それというのも、彼がこれまでに少ない出場時間の中で光るプレーを披露し、未来への希望を抱かせたからであろう。

 とりわけ3節のバルセロナ戦では、期待を受けてカンプ・ノウに乗り込むもチームは良いところなく0-4の大敗を喫した中で、19歳の日本人クラックは74分にピッチに登場し、チーム唯一の枠内シュートを放つなど違いを見せつけ、一気に久保スタメン待望論が高まった。

 ちなみにこのバルサ戦、久保にとっては育成年代を過ごした古巣との対決だったが、大勝したホームチームで、鮮やかな2ゴールやPKを奪う突破などMVP級のプレーを見せた17歳のアンス・ファティは、「ラ・マシア」でともに修行した仲間である。
 
 チームメイトとして勝利やタイトル獲得に貢献してきたが、FIFAのバルサに対する制裁措置により、公式戦に出場できなくなった久保が2015年に日本へ一旦帰国したことで、2人は違う道を進むこととなった。

 昨季、レアル・マドリー移籍で欧州に舞い戻った久保は、マジョルカの一員として2度、バルサ戦に臨んだものの、いずれもファティがピッチに立つことはなく、今回、ようやく三度目の正直で対決が実現したのである。

 この一戦での対峙を、地元メディアの『MUNDO DEPORTIVO』は「ラ・マシアで育った2人。日本人はベンチの中から、かつてのパートナーのパフォーマンスを目撃した」と記し、「ファティはレギュラーとして2ゴールとPKを生む活躍。久保はベンチスタートで、4点差とされてから残り15分で登場」と、現状の差を強調した。

「マジョルカで2部に降格した後にビジャレアルにレンタル移籍した」久保について、「10歳でラ・マシアに入り、ユースでは得点記録を更新するなど際立った活躍をした、メッシに憧れる少年は18歳になって欧州に戻る時、バルサのためにプレーすることが希望だった」と綴り、さらにこう続ける。

「しかし、タケの代理人が要求した100万ユーロ超の年俸や長期契約、トップチームでのプレーといった高い要求は、交渉に臨んだ(スタッフの)ラモン・プラネスとホセ・マリア・バケーロにとっては到底飲めるものではなかった。

 交渉が決裂した後、(マドリーの会長である)フロレンティーノ・ペレスは、『新しいメッシ』をバルサから奪えると、喜んで金を払った」

 久保が望むバルサ復帰を、代理人の強欲さと、マドリーのライバルを出し抜きたいという思いが妨げたと指摘する同メディアは、最後に「ファティの活躍を見て、タケは自分の代理人の交渉がまずかったと思っているかもしれない」と締めている。

 何とも皮肉めいた記事だが、それも当然。『MUNDO DEPORTIVO』は自他ともに認めるバルサ寄りのメディアであり、マドリーに対して並々ならぬライバル意識を持っていることは有名だ。

 記事の通り、現時点でファティとは互いに置かれた状況が大きく異なるが、無限の可能性を秘める久保が、ここからどれだけ上昇を遂げていけるかは注目だ。ビジャレアルで、そして将来的にはマドリーの一員として、ライバル・メディアにとって、常に気になる存在であり続けられるか。

構成●THE DIGEST編集部
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