リバプールで出番に恵まれず、サウサンプトンへのレンタル移籍を決意した南野拓実。これが、今後の彼のキャリアにどのような影響を与えるのかが興味深いところだ。

「セインツ」が26歳の日本人の獲得をSNSや公式サイトなどで発表したのは、冬の移籍市場が締め切りを迎えた２月１日23時から２時間ほど経ってからということで、まさに滑り込みでの契約成立となった。

　プレミアリーグでは、最終日に他にも幾つかの「駆け込み成約」が生まれているが、その中には南野のように不遇を託ったり、起用法などによって実力を発揮できない状態に不満を抱いたりして、新天地で現状を打破することを期待するケースは少なくない。
  　英国のサッカー専門誌『FourFourTwo』は、これらの中から注目すべき５つの移籍劇をセレクトし、「今後数か月で、これまでとは違うキャリアを辿ることになるかもしれない５人」としてスポットライトを当てているが、南野もそのひとりに含まれている。

　昨年１月にザルツブルクから欧州王者（当時）のリバプールに加入した彼は、継続してピッチに立つことができず、今季はリーグ戦では９試合・327分間のプレーにとどまり、ユルゲン・クロップ監督らとの話し合いの末に、出場機会を優先していったん別の道を歩むことを選択した。

　同メディアは「勇敢な決断だったが、完全に理に適ったレンタルだ」と評価し、以下のように南野の残りシーズンを展望する。

「南海岸では、クロップと同じスタイルを採る勤勉な監督、ラルフ・ハーゼンヒュットルと協力していくことになる。ここで南野は、自らのプレースタイルを犠牲にすることなく、経験と自信を得ることができるだろう。シェーン・ロングのレンタル移籍（→ボーンマス）も、南野にとっては競争相手が減ることを意味する」

「リバプールでの31試合・４得点・２アシストという成績は、199試合で98得点を記録したザルツブルクでのそれとはかけ離れているが、南野にとって、ハーゼンヒュットル監督がかつてのフォームを取り戻すためのキーマンとなるかもしれない」