敗者への敬意に溢れた対応に脚光が集めている。
現地時間12月5日、日本代表はカタールワールドカップ(W杯)の決勝トーナメント1回戦でクロアチア代表と対戦。43分に前田大然のゴールで幸先よく先制するも、55分にイバン・ペリシッチの豪快ヘッドで同点とされ、1-1のまま突入したPK戦で競り負けた。史上初のW杯ベスト8の夢は儚く散ったのである。
今大会の日本は世界を驚かせるセンセーショナルな快進撃を見せた。初戦でドイツ代表を破り、ラウンド16行きが懸かったスペイン代表戦でも逆転勝利を収め、「グループ敗退」を予想されていた大会前の下馬評を大きく覆した。それゆえに選手たちがPK戦という僅差で敗れる結果に相当な悔しさを抱いたのは想像に難くない。
雌雄が決した直後、森保ジャパンの選手たちの多くがピッチ上で悔し涙を浮かべていた。無論、激闘を制したクロアチアの面々は勝利に湧きかえっていた。そのなかでサムライたちのもとへ歩み寄ってリスペクトの精神を示したのが、値千金の同点弾を決めていたペリシッチだった。
プレミアリーグの強豪トッテナムでプレーする33歳は、呆然と立ち尽くしていた日本代表のもとへ真っ先に駆け寄り、短いメッセージを言葉と、健闘を称え合うように抱擁を交わしたのだ。
そんなペリシッチの姿は各国メディアの心も打った。英サッカー専門サイト『Football.London』は「トッテナムの男は劇的なPK戦を制した直後に、気品を見せた」とクローズアップ。そして次のように伝えた。
「PK戦で試合を制したクロアチア。勝利した直後、チームの大半は3本のショットストップをやってのけた守護神のドミニク・リバコビッチのもとへ駆け込んだ。しかし、ペリシッチだけは違った。彼は歓喜するチームの輪に加わるよりも先に、敗者となったサムライブルーの戦士たちを慰めに行ったのだ。
彼は4年前のロシア・ワールドカップで、決勝でフランスに2-4で敗れた代表の一員であり、大舞台で負ける悔しさを誰よりも熟知している。ゆえに沸き立っていたであろう勝利に対する喜びや興奮といった感情を抑え、相手を思いやる上品さを見せたのだろう」
競技は違うが、ラグビーの「ノーサイドの精神」を示したと言えるペリシッチ。その振る舞いこそトッププレーヤーたる所以なのかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部
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現地時間12月5日、日本代表はカタールワールドカップ(W杯)の決勝トーナメント1回戦でクロアチア代表と対戦。43分に前田大然のゴールで幸先よく先制するも、55分にイバン・ペリシッチの豪快ヘッドで同点とされ、1-1のまま突入したPK戦で競り負けた。史上初のW杯ベスト8の夢は儚く散ったのである。
今大会の日本は世界を驚かせるセンセーショナルな快進撃を見せた。初戦でドイツ代表を破り、ラウンド16行きが懸かったスペイン代表戦でも逆転勝利を収め、「グループ敗退」を予想されていた大会前の下馬評を大きく覆した。それゆえに選手たちがPK戦という僅差で敗れる結果に相当な悔しさを抱いたのは想像に難くない。
雌雄が決した直後、森保ジャパンの選手たちの多くがピッチ上で悔し涙を浮かべていた。無論、激闘を制したクロアチアの面々は勝利に湧きかえっていた。そのなかでサムライたちのもとへ歩み寄ってリスペクトの精神を示したのが、値千金の同点弾を決めていたペリシッチだった。
プレミアリーグの強豪トッテナムでプレーする33歳は、呆然と立ち尽くしていた日本代表のもとへ真っ先に駆け寄り、短いメッセージを言葉と、健闘を称え合うように抱擁を交わしたのだ。
そんなペリシッチの姿は各国メディアの心も打った。英サッカー専門サイト『Football.London』は「トッテナムの男は劇的なPK戦を制した直後に、気品を見せた」とクローズアップ。そして次のように伝えた。
「PK戦で試合を制したクロアチア。勝利した直後、チームの大半は3本のショットストップをやってのけた守護神のドミニク・リバコビッチのもとへ駆け込んだ。しかし、ペリシッチだけは違った。彼は歓喜するチームの輪に加わるよりも先に、敗者となったサムライブルーの戦士たちを慰めに行ったのだ。
彼は4年前のロシア・ワールドカップで、決勝でフランスに2-4で敗れた代表の一員であり、大舞台で負ける悔しさを誰よりも熟知している。ゆえに沸き立っていたであろう勝利に対する喜びや興奮といった感情を抑え、相手を思いやる上品さを見せたのだろう」
競技は違うが、ラグビーの「ノーサイドの精神」を示したと言えるペリシッチ。その振る舞いこそトッププレーヤーたる所以なのかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部
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