2010年にスペイン代表をワールドカップ制覇に導いた魔術師の決断に注目が集まっている。

　ヴィッセル神戸の元スペイン代表、アンドレス・イニエスタ５月７日、J１第12節の横浜FC戦に途中出場。今季３試合目の出場を果たした38歳は、３点リードの64分にピッチに入った。背番号８の登場にスタンドからは盛大な拍手が送られ、より一層大きな声援が上がった。

　一部報道で今夏限りでの神戸退団が取り沙汰されているイニエスタ。リーグ戦では今季最長の26分間プレーし、随所に柔らかいタッチを見せ、味方にボールを供給し続けた。試合はFW大迫勇也が2得点を含む全３得点に絡む活躍で横浜FCを３-０で一蹴。神戸は首位を守った。
  　ここに来て一気に噴出したイニエスタの”去就”に、海外メディアも興味津々のようだ。イニエスタの母国であるスペインの日刊紙『as』は「イニエスタは契約満了に伴い、Jリーグでの生活に終止符を打つことになったそうだ。今年７月で日本での冒険を終えることになった」と断定的に報じた。

　続けて「現状では、イニエスタはまだスパイクを掛けることを考えていない」と契約満了での現役引退を否定し、「中東やMLSのクラブが彼の働きに関心を寄せるだろう」と次の移籍先候補を予想している。

　最後に同紙は「６月６日に東京の国立競技場でヴィッセルとFCバルセロナの親善試合を予定しており、この試合は中盤のマエストロへの別れのトリビュートとなるであろう」と伝え、古巣バルセロナとの対戦が日本での最後の雄姿になると言及している。

　英国の大衆紙『The Sun』もバルセロナのアイコンの去就に反応している。同紙は「アンドレス・イニエスタが今夏でヴィッセル神戸からの移籍が決まりそうだ。彼は５年間過ごした日本を離れる準備をしている」と報じた。

　記事の中では、「このテクニシャンは、バルセロナに22年間在籍し、9つのタイトルと4つのチャンピオンズ・リーグを獲得。また、スペイン代表としてユーロとワールドカップを連続で制覇した。そして、2018年にバルサからヴィッセル神戸に移籍した後は、極東の地で天皇杯とスーパーカップを制覇した」とこれまでの輝かしいキャリアを振り返り、今夏での契約満了をもって日本を離れると主張している。

　2018年７月にJリーグのヴィッセル神戸に加入後、卓越した技術で多くのファンを魅了してきたイニエスタ。６月６日が、日本でのラストプレーになるのか。一時代を築いたレジェンドの決断に、世界中のフットボールファンが固唾をのんで見守っている。

構成●THE DIGEST編集部

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