22年前、日本をワールドカップ(W杯)ベスト16に導いた魔術師の手腕は健在だった。
1月14日、サッカーのアジアカップで日本代表はベトナム代表と激突。史上最多5度目の優勝を狙う日本の初陣はMF南野拓実が2ゴールを挙げるなど、計4得点を奪い白星スタートを切った。
スコアだけを見れば、4ゴールを奪っての快勝。しかし、セットプレーから2失点を喫し、一時はベトナムに逆転を許すなど課題が残った。前半終了間際に再逆転できたが、相手の予想以上の技術と徹底した戦術にサムライブルーは苦戦。アジア王座奪還に向け、その険しさを痛感する船出となった。
その一方で、敗北したベトナムには母国から労いの言葉が届いている。地元の日刊紙『Vnexpress』は、日本相手に見応えある戦いを見せた代表チームについて「実力では大きなレベル差と、下馬評では厳しい試合が予想されていたにもかかわらず、ベトナムは自信を持って試合に臨んだ」と評し、「先制点を奪われたが、そのあとベトナムは攻勢を強めた。2つのセットプレーをフルに活用し、日本に大きな驚きを与えた」と主張している。
なかでも、同紙が注目したのは指揮官のフィリップ・トルシエ監督。24年前のアジアカップでは日本代表監督として同大会を制し、02年の日韓W杯では初勝利、初のベスト16に導いた『白い魔術師』は「ポジティブな姿勢を崩していない」と指摘している。
同監督は試合後、「今日の試合には満足している。順位や調子について言えば、日本はまさに我々が立ち向かわなければならない巨人だった」と、かつて自身が指揮したチームに敬意を評すも、「最初の数分間、選手たちは相手のプレッシャーに圧倒され、少し混乱していた。そのあと選手たちは改善され、戦術によく従った。つまり、今日のチームのパフォーマンスには非常に満足している」と胸を張った。
68歳を迎え、円熟味が増したフランス人。後半40分まで粘り強いディフェンスと徹底した戦術で日本のプレッシャーに耐え、組織的にもうまく連携していた部分は目を見張る。さらに、チェコから帰化したばかりのGKグエン・フィリップが何度も素晴らしいセーブを見せ、日本のシュートをブロック。同メディアによると、指揮官はこの31歳のパフォーマンスを称賛しており、「打倒・日本」のため準備してきた戦術について、次のように付け加えている。
「選手たちには、ボールを持ちすぎずに守備意識を高めること。そしてボールを持ったら集中を切らさず、危険な位置でボールを失わないようにすることを伝えた。日本が、どれだけ危険なチームかは誰もが知っていた。一度ボールを奪われたら、足元から奪い返すのはそう簡単ではない」
日本代表の監督時代にも、独自の指導哲学と確かな戦略で強豪国と互角の勝負を演じたトルシエ監督。00年のレバノン大会を圧倒的な強さで優勝に導いた指揮官の手腕は、いまだ衰えていない。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】南野拓実、中村敬斗、上田綺世がゴール!トルシエ元日本代表監督が率いるベトナムを撃破!
1月14日、サッカーのアジアカップで日本代表はベトナム代表と激突。史上最多5度目の優勝を狙う日本の初陣はMF南野拓実が2ゴールを挙げるなど、計4得点を奪い白星スタートを切った。
スコアだけを見れば、4ゴールを奪っての快勝。しかし、セットプレーから2失点を喫し、一時はベトナムに逆転を許すなど課題が残った。前半終了間際に再逆転できたが、相手の予想以上の技術と徹底した戦術にサムライブルーは苦戦。アジア王座奪還に向け、その険しさを痛感する船出となった。
その一方で、敗北したベトナムには母国から労いの言葉が届いている。地元の日刊紙『Vnexpress』は、日本相手に見応えある戦いを見せた代表チームについて「実力では大きなレベル差と、下馬評では厳しい試合が予想されていたにもかかわらず、ベトナムは自信を持って試合に臨んだ」と評し、「先制点を奪われたが、そのあとベトナムは攻勢を強めた。2つのセットプレーをフルに活用し、日本に大きな驚きを与えた」と主張している。
なかでも、同紙が注目したのは指揮官のフィリップ・トルシエ監督。24年前のアジアカップでは日本代表監督として同大会を制し、02年の日韓W杯では初勝利、初のベスト16に導いた『白い魔術師』は「ポジティブな姿勢を崩していない」と指摘している。
同監督は試合後、「今日の試合には満足している。順位や調子について言えば、日本はまさに我々が立ち向かわなければならない巨人だった」と、かつて自身が指揮したチームに敬意を評すも、「最初の数分間、選手たちは相手のプレッシャーに圧倒され、少し混乱していた。そのあと選手たちは改善され、戦術によく従った。つまり、今日のチームのパフォーマンスには非常に満足している」と胸を張った。
68歳を迎え、円熟味が増したフランス人。後半40分まで粘り強いディフェンスと徹底した戦術で日本のプレッシャーに耐え、組織的にもうまく連携していた部分は目を見張る。さらに、チェコから帰化したばかりのGKグエン・フィリップが何度も素晴らしいセーブを見せ、日本のシュートをブロック。同メディアによると、指揮官はこの31歳のパフォーマンスを称賛しており、「打倒・日本」のため準備してきた戦術について、次のように付け加えている。
「選手たちには、ボールを持ちすぎずに守備意識を高めること。そしてボールを持ったら集中を切らさず、危険な位置でボールを失わないようにすることを伝えた。日本が、どれだけ危険なチームかは誰もが知っていた。一度ボールを奪われたら、足元から奪い返すのはそう簡単ではない」
日本代表の監督時代にも、独自の指導哲学と確かな戦略で強豪国と互角の勝負を演じたトルシエ監督。00年のレバノン大会を圧倒的な強さで優勝に導いた指揮官の手腕は、いまだ衰えていない。
構成●THE DIGEST編集部
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