鹿島のキーマンと言えば、やはり三竿健斗になるだろう。今季は度重なる怪我でチームを離れる時期もあったが、今はコンディションが万全といっても差し支えない。3 -2で競り勝った長崎との準決勝ではダブルボランチの一角を務め、ピッチを幅広く駆け回り、ボールを刈り取った。それは彼本来の勇ましい姿だ。チームメイトの軽率なプレーでピンチを招く場面では厳しく叱責するなど、空気をピリッとさせた。ノックアウト方式の大会だけに、負けた時点でジ・エンド。「失点しなかったからOKじゃない。ちょっとした気の緩みでもウヤムヤにしたら、取り返しがつかないことになる」といった心の声が聞こえてくるようだった。
そんな三竿の不安が的中してしまったのか、最終的には逃げ切るも2失点を喫し、もたついた感は否めない。守備面の修正は急務だろう。
「どんな相手に対してもディフェンスラインを高く保って、いい距離感を作りながら守ることが大事。球際で負けない気持ちとか、みんなで意思統一してプレスにいくとか、まずはそういう基本的な部分をやりきらないと」
早いもので、東京Vから鹿島に移籍してきて4年目だ。2016年の2冠(Jリーグと天皇杯)には貢献できたと言えるほど試合に絡めなかったが、18年のACL初制覇に向けた道のりでは主力に定着。ペルセポリスとの決勝ではホーム&アウェーともにフル出場。自身の存在価値をプレーで示した。
最近になって、ゲームキャプテンを任される機会も増えている。
「偉大な先輩たちが巻いてきたキャプテンマークなので、光栄だし、その責任を感じながらプレーしている。ただ、自分が巻いていても巻いていなくても戦う姿勢が変わることはない」
今季の鹿島は、ここまで無冠だ。前回覇者として臨んだACLはベスト8、ルヴァンカップはベスト4で敗れた。ただ、Jリーグは最終的に3位で終え、常勝軍団の意地を見せた。
シーズンのラストを飾る天皇杯決勝の相手は、クラブ史上初のタイトル獲得に燃える神戸だ。アンドレス・イニエスタやダビド・ビジャ、ルーカス・ポドルスキら世界に名だたる選手を揃え、赤丸上昇中の古橋亨梧や鹿島キラーの異名を取る藤本憲明もいる。
神戸といえば、今季Jリーグのホーム最終節で1 -3と苦汁を飲まされた相手でもある。普段は出場機会の少ないメンバーが主体となっていた神戸に対して(ポドルスキは出場もイニエスタやビジャは不在)、鹿島はいいところなく敗れた。この試合に三竿は累積警告のため出場していなかったが、「同じ相手に2戦連続で負けるわけにはいかない」とリベンジを誓う。
世界的なスター選手たちが中心になって織りなす破壊力抜群の神戸の攻撃を、三竿を軸とする鹿島の守備がいかに阻むか。中盤での攻防が元日決戦の見どころのひとつといっていいだろう。
文●小室功(オフィスプリマベーラ)
※『サッカーダイジェスト』2020年1月9日号より転載
そんな三竿の不安が的中してしまったのか、最終的には逃げ切るも2失点を喫し、もたついた感は否めない。守備面の修正は急務だろう。
「どんな相手に対してもディフェンスラインを高く保って、いい距離感を作りながら守ることが大事。球際で負けない気持ちとか、みんなで意思統一してプレスにいくとか、まずはそういう基本的な部分をやりきらないと」
早いもので、東京Vから鹿島に移籍してきて4年目だ。2016年の2冠(Jリーグと天皇杯)には貢献できたと言えるほど試合に絡めなかったが、18年のACL初制覇に向けた道のりでは主力に定着。ペルセポリスとの決勝ではホーム&アウェーともにフル出場。自身の存在価値をプレーで示した。
最近になって、ゲームキャプテンを任される機会も増えている。
「偉大な先輩たちが巻いてきたキャプテンマークなので、光栄だし、その責任を感じながらプレーしている。ただ、自分が巻いていても巻いていなくても戦う姿勢が変わることはない」
今季の鹿島は、ここまで無冠だ。前回覇者として臨んだACLはベスト8、ルヴァンカップはベスト4で敗れた。ただ、Jリーグは最終的に3位で終え、常勝軍団の意地を見せた。
シーズンのラストを飾る天皇杯決勝の相手は、クラブ史上初のタイトル獲得に燃える神戸だ。アンドレス・イニエスタやダビド・ビジャ、ルーカス・ポドルスキら世界に名だたる選手を揃え、赤丸上昇中の古橋亨梧や鹿島キラーの異名を取る藤本憲明もいる。
神戸といえば、今季Jリーグのホーム最終節で1 -3と苦汁を飲まされた相手でもある。普段は出場機会の少ないメンバーが主体となっていた神戸に対して(ポドルスキは出場もイニエスタやビジャは不在)、鹿島はいいところなく敗れた。この試合に三竿は累積警告のため出場していなかったが、「同じ相手に2戦連続で負けるわけにはいかない」とリベンジを誓う。
世界的なスター選手たちが中心になって織りなす破壊力抜群の神戸の攻撃を、三竿を軸とする鹿島の守備がいかに阻むか。中盤での攻防が元日決戦の見どころのひとつといっていいだろう。
文●小室功(オフィスプリマベーラ)
※『サッカーダイジェスト』2020年1月9日号より転載