EURO2024はスペイン代表が際立った強さを発揮し、７戦全勝での完璧な優勝を飾って幕を閉じた。

　ルイス・デ・ラ・フエンテ監督の的確なチーム作りや采配により、チームとしてハイレベルに機能した「ラ・ロハ」は、前回王者イタリア、開催国ドイツ、優勝候補筆頭フランスの他、EUROやワールドカップの歴代ファイナリストであるイングランドやクロアチアといった難敵を次々に撃破した末に、歴代最多の15得点を記録し、史上最多４度目の大陸制覇を果たした。

　組織としての勝利を印象づけたスペインだが、大会MVPに輝いたロドリをはじめ、あらゆる最年少記録を塗り替えた今夏の主役ラミネ・ヤマル、彼とともに強力なウイングとしてチーム最大の武器となったニコ・ウィリアムス、そして素晴らしい技術を見せて得点王となったダニ・オルモら、その優れた個々の選手にも多くのスポットライトが当てられている。
  　決勝の対戦相手となったイングランドの母国メディアである公共放送『BBC』は、データ専門会社『Opta』の指数を基にした「大会ベストイレブン」を以下のように選定した。ここにはスペインからは５人の選手が名を連ねている。ちなみに２大会連続で決勝進出を果たしたイングランドはCBマーク・グエイのみで、「スペインは組織のチームで、イングランドは優れた個の集まり」というのが大方の見解であることを考えると、この結果は興味深いものがある。

GK：ジョルジ・ママルダシュビリ（ジョージア）
RB：ジョシュア・キミッヒ（ドイツ）
CB：マヌエル・アカンジ（スイス）
CB：マーク・グエイ（イングランド）
LB：マルク・ククレジャ（スペイン）
CM：トニ・クロース（ドイツ）
CM：ファビアン・ルイス（スペイン）
RW：ラミネ・ヤマル（スペイン）
AM：ダニ・オルモ（スペイン）
LW：ニコ・ウィリアムス（スペイン）
ST：コディ・ガクポ（オランダ）