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「ここ数年で最大の衝撃的な登場」と評された21歳も… マドリー、台頭する育成組織の逸材たちで「守備再建計画」が進行中

THE DIGEST編集部

2024.12.05

カンテラ出身のアセンシオ。首脳陣を納得させるプレーを続けている。(C) Getty Images

 レアル・マドリーはラ・リーガ第9節のビジャレアル戦でダニエル・カルバハルが前十字靭帯、外側側副靭帯、膝窩腱の断裂という重傷、さらに13節オサスナ戦ではエデル・ミリトンが同じく右膝の前十字靭帯断裂と、守備の主力選手がともに長期戦線離脱を強いられることとなった。

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 この事態に対し、来月に門が開く冬の移籍市場での緊急補強の噂が流れ、すでにアイメリク・ラポルテ(アル・ナスル)、ジョナタン・ター(レバークーゼン)、カステロ・ルケバ(RBライプツィヒ)といった名前が新CB候補として、さらにSBではリバプールとの契約が今季で切れるトレント・アレクサンダー=アーノルドの名が、それぞれ挙がっている。

 しかし先日、マドリーのクラブ専門サイト『Defensa Central』は「バルデベバス(練習場)の内部では、現有戦力でシーズンを戦い抜く方向に傾いているようである。カンテラ出身のラウル・アセンシオは、最近の試合でスタッフを納得させている。加えて、MFのアウレリアン・チュアメニがアントニオ・リュディガーとともにCBとしてプレーする可能性もあり、さらにダビド・アラバの復帰が近いからだ」との見解を示していた。

 また同メディアは「冬の移籍市場に対するマドリーの印象は必ずしも良くない」と指摘し、マドリードのスポーツ紙『MARCA』も「冬の移籍市場がマドリーに過去の嫌な記憶を思い出させる」として、アントニオ・カッサーノ(2006年)、トーマス・グラベセン(2005年)、ジュリアン・フォベール(2009年)、ルーカス・シウバ(2015年)、シシーニョ(2006年)、ペリツァ・オグニェノビッチ(1999年)、フェルナンド・ガゴ(2007年)をその例として取り上げている。

 もちろん失敗ばかりではなく、マルセロ(2006年)、ブラヒム・ディアス(2019年)、ディエゴ・ロペス(2013年)、ゴンサロ・イグアイン(2007年)、ラッサナ・ディアラ(2008年)という成功例もあると『Defensa Central』は付け加えており、決してこれが冬の補強を見送る理由ではないということである。

 ただ、このまま何もせずに怪我人の復帰を待つというわけでもないようだ。『MARCA』紙によれば、今季終了後には当然ながら最終ラインに「銀河系」級のビッグネームを迎えるのは間違いないが、質だけでなく量も充実させる必要があるとして、4人のカンテラーノ(下部組織出身選手)を加えての「守備再建計画」が実行に移されるという。

「バルデベバスでは、カンテラーノによって新たな『壁』を築く可能性が現実的な選択肢として語られている。このアプローチは、スポーツ面だけでなく、経済的にも大きなメリットをもたらす。マドリーは向こう10年間を支えるCBを内部で確保しており、数週間前まで補強が不可避と思われていた状況から一転した」
 
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4人のカンテラーノのうち、トップチームで地位を確立している者も